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「ジャンプ」漫画家37人が語る 読者つかむ創作の秘密公開

2010年4月27日

写真拡大『ワンピース』の作家、尾田栄一郎氏の作業机。『マンガ脳の鍛えかた』から=集英社提供(撮影・石川耕三氏)

 少年漫画誌の代名詞とも言われる「週刊少年ジャンプ」。その「少年ジャンプ」で連載経験を持つ37人の人気漫画家たちが自らの創作の秘密について語ったインタビュー集『マンガ脳の鍛えかた』(集英社)が刊行された。第一線で活躍するクリエーターならではの言葉が凝縮されている。

 インタビューは2008年、創刊40周年企画として月1回「少年ジャンプ」に連載された。企画したのは、ジャンプ・コミック出版編集部の垣内(かいと)克彦・副編集長。「『少年ジャンプ』が培ってきた経験をもとに、漫画のテキストをつくりたかった」という。

 これまでも「漫画の描き方本」はあったが、道具や作業手順の紹介が中心。「どうやってキャラクターをつくり、コマを割ればいいのか。読者はどんなセリフを喜ぶのか。そういう“ソフト”に関するテキストを目指しました」

 漫画の“ソフト”の根幹は「ネーム」。コマ割りや登場人物、セリフなどを描き込んだ下書きメモで「絵コンテ」とも呼ぶ。漫画家たちは本書で、そのネームのノウハウを惜しげもなく披露している。

 ネームなのに綿密な絵を描き込む作家。逆に人物の描き込みは少ないのに「ゴゴゴ」「クルッ!」などの擬音はしっかり入れる作家。A3ぐらいの紙に文字をビッシリ書き込む作家も。作風の違いそのままにネームも千差万別だ。

 創作過程でのこだわりも語られる。「あくまで臨場感を出すための描き込みであって絵に凝りたいわけではない」「無表情なキャラでも無表情なりの微妙な変化をつけるのが、楽しい」。思わず考えさせられる名言が多い。

 佐々木尚(ひさし)「少年ジャンプ」編集長は「漫画の世界は感覚的。言葉にしにくい部分もあるはずなのに、漫画家さんは意外に独自の方法論を言葉として確立していた」と驚きながら、「もっとも、セリフ一つを考え抜いてつくるのが漫画。名言の多さは当然かもしれません」と語る。

 締め切りに追われて編み出した時間節約術も語られる。「ペン先は3本まとめて付け替えて時間を短縮する」「背景のトーン貼(は)りが楽になるように、吹き出しの形はギザギザを避け、丸くする」

 取材を担当したライターの門倉紫麻さんは、漫画家たちが「細かいことを積み重ねる大切さ」を語っていることに気付いた。「最前線で走る作家が常に猛ダッシュで、手を緩めずにここまでやっている。その姿には、人を駆り立てる力があるはずです」

 初版3万部でスタートし、既に重版が決まっている。(竹端直樹)

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