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映画に「ダイゲイ」旋風 大阪芸大出身監督が台頭

2008年7月3日

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 映画界に「ダイゲイ」旋風が吹き荒れている。橋口亮輔に山下敦弘、熊切和嘉……。オリジナリティーあふれる作風で知られる彼らは、いずれも大阪芸術大で学んだ経験を持つ。メジャー作品とは一線を画し、映画祭などで高い評価を受ける「ダイゲイ」の監督たち。先輩の活躍に刺激されてか、若手の台頭も著しい。(高橋昌宏)

 ある夫婦の10年の軌跡を追った橋口監督6年ぶりの新作「ぐるりのこと。」が大ヒットを記録。山下監督は「天然コケッコー」「松ケ根乱射事件」が昨年のキネマ旬報ベストテンにダブル入選。同年代の柴田剛は、脳性まひの男性が連続殺人事件を起こす「おそいひと」で障害者を主役に起用して反響を呼んだ。

 最近にわかに注目を集めているのが25歳の新鋭、石井裕也監督だ。卒業制作した「剥(む)き出しにっぽん」が、昨年のぴあフィルムフェスティバル(PFF)のグランプリを受賞。香港で開かれるアジア・フィルム・アワードのアジア新人監督大賞に選ばれ、トントン拍子で商業映画デビューが決まった。

 大阪芸大のキャンパスは大阪府の郊外、河南町にある。「山に囲まれ、外界から遮断された世界」と石井監督は言う。商業映画の製作現場が多い東京と違い、「PFFなどで評価される以外に、映画界への道は開けない」との不安があるという。

 大阪芸大は実学優先で、学生に現場経験を積ませることに力を入れてきた。石井監督も1年生で先輩の卒業制作に参加。この作品がPFFで準グランプリに選ばれた。「演出術、人心掌握術に加え、ここまでやれば賞を狙えるというレベルを学べた」。石井は自主製作を中心にすでに20本近くを監督している。

 本田隆一監督は、栗山千明主演の「GSワンダーランド」の公開を11月に控えている。「山の中で格好つけずにやれた」のが良かったと話す。「レベルの高い作品を作る人を間近に見て、競い合う中でテーマが先鋭化していく」。

 大阪芸大のこうした環境を整えたのが、映画監督の中島貞夫だ。教授に就任した87年以来、今春に退くまで「大学のスタジオ化」を唱えてきた。「カリキュラムに押し込めるのではなく、エロや暴力がテーマでも、長くかかっても、自由に作らせた」。卒業制作を「名刺代わり」と全力投球させた。「完成したら、海外を含めて映画祭のコンペに出すように指導しました」

    ◇

 5、6日、東京国際フォーラムで「ダイゲイ フィルム アワード」が開かれる。大阪芸大主催。今春卒業した学生の作品24本が上映されるほか、石井、柴田両監督らのトークショーも。入場無料。

■大阪芸大で学んだ主な映画監督(中退含む)■

庵野秀明 「新世紀エヴァンゲリオン」

橋口亮輔 「ぐるりのこと。」「ハッシュ!」

元木隆史 「プウテンノツキ」「ピーカン夫婦」

本田隆一 「サクゴエ」「GSワンダーランド」

柴田 剛 「おそいひと」「青空ポンチ」

熊切和嘉 「鬼畜大宴会」「青春☆金属バット」

山下敦弘 「松ケ根乱射事件」「天然コケッコー」

呉 美保 「酒井家のしあわせ」

石井裕也 「剥き出しにっぽん」「ばけもの模様」

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