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西島秀俊、「真木栗ノ穴」「東南角部屋二階の女」に主演

2008年10月17日

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写真「二つの作品は真逆」と語る西島秀俊さん=郭允撮影

 上映中の「東南角部屋二階の女」(池田千尋監督)と18日公開の「真木栗ノ穴」(深川栄洋監督)で、西島秀俊が主演を務める。ともに若手監督の作品で、ボロアパートが舞台、部屋の壁にあいた小さい穴が物語の鍵を握るといった偶然の共通点がある。

 「真木栗〜」では、アパートの狭い部屋で暮らす売れない作家の役。「東南角部屋〜」で演じるのは、人生に疲れ気味な若者2人とともにアパートで暮らす男性だ。

 両監督の演出は対照的だった。深川監督は「完璧(かんぺき)に計算されたエンターテインメントとして構成し、その中からゆらぎを出していく」。厳密な演出で、繰り返しリハーサルをした。

 脚本を目にした感想は「面白いが、どうなるか読めない」。だが、出来上がった映画を見て納得した。「コメディーと思わせながら、一瞬で不思議な世界へと連れていく」。現実と幻の境界をあいまいに見せつつ、小道具に謎を解くヒントを隠すなど練られた作りに才能を感じた。

 逆に「台本になくても、その場で起きた演技を受け入れていくことを恐れない」のが池田監督。テストもほとんどやらず、即本番へと流れていった。あいまいさの排除と柔軟。2人のタイプは違うものの、独自の姿勢を貫く意志の強さは共通していたという。

 撮影後、池田監督は西島が自分の役を「こんな風になるとは思わなかった」と話していたのを聞いたという。意味するものは何なのか。「自分で準備し、決めたことをカメラの前で表現することに興味がない。体を持っていって何が起こるかを見ると、自分自身も驚きながらの撮影になる」と西島は答えた。

 この姿勢にこだわるのには理由がある。「映画って、初めての人がすごい演技をするもので、何がいい演技につながるか分からないままやっていて、これからもそうなんでしょうけど」とほほ笑む。

 そして、アパートと穴という共通点。この穴こそが、両作品の主人公や登場人物にとって一種の希望となっている。「現状ではない次の世界、未来が、廃虚のようなボロアパートの穴の向こうにある。不思議ですよね。若い世代の感覚的なものなのでしょうか」(高橋昌宏)

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