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「レッドクリフPart1」ジョン・ウー監督 忠・義に焦点

2008年11月7日

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写真「黒澤明監督の『七人の侍』からヒントを得た場面もあった」と語るジョン・ウー監督=堀英治撮影

 「三国志」のハイライトとも言える決戦を描く二部作の前編「レッドクリフ Part1」が公開中だ。監督は、この作品を手がけるのが長年の夢だったというジョン・ウー。「忠や義に厚い登場人物に子供の頃から引かれ、自分の映画のスタイルに大きな影響を与えている」と語る。(高橋昌宏)

 三国志は、漢が衰退した後、魏、呉、蜀の三国による約100年に及ぶ戦乱を描いた史書。作品は、大量の兵を抱える曹操軍に、兵力では極端に不利な孫権・劉備連合軍が対抗した戦記「赤壁(せきへき)の戦い」をベースにしている。孫権軍の名将周瑜(しゅうゆ)をトニー・レオン、劉備側の軍師諸葛孔明を金城武が演じている。

 もっとも原作を忠実になぞることは避けた。海外での公開を意識してのことだ。「アジアでは登場人物の予備知識があるが、欧米は違う。歴史的な背景を薄くして、その分、人間性や友情に焦点を当てた物語に共鳴してもらいたかった」と語る。

 20年近く温めていた構想が実現したのは、製作費の調達以外に二つの要素がある。大量のエキストラの用意と、高度なVFX(特殊視覚効果)だ。エキストラは1千人に上ったが、「協力してくれたのは人民解放軍の兵士だったから、指揮通りに動いてくれた」と満足げ。

 VFXは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」などを担当した制作会社に、2千隻の船団、川を挟んでにらみ合う両者の陣地など実写化が難しい場面を委ねた。無数の兵士たちからなる陣形もCG効果なくしてはあり得なかった。

 さらに平均6台のカメラで同時撮影することによって、壮大なアクションシーンを緩急をつけて展開させていく。斬新な映像表現の陰には、入念な準備があるという。

 「脚本を一通り読み、展開を想像すると、頭の中で映画を見終わった感じになる。だから現場に立つとワクワク感がないので、2本目の映画を撮るつもりで、新しいセリフやアクションをアレンジしていく。編集でも何か修正できないかと常に考えている」

 パート2はすでに撮影を終え、来年4月の公開を待つ。「人物紹介に重点を置いた前編に比べ、後編は周瑜と孔明の協力による火攻め、水上戦など労力がかかるシーンが多かった。その分、リズム感は増した」

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