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ウィル・スミス「7つの贈り物」謎の男のつぐないとは

2009年2月27日

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写真ウィル・スミス=高山顕治撮影

 米フォーブス誌で「ハリウッドで最も稼げる俳優」に選ばれたウィル・スミスが、「幸せのちから」のガブリエレ・ムッチーノ監督と再び組んだ「7つの贈り物」が公開中だ。「来てくれ。自殺者だ。誰かって?……僕だ」。ただならぬ形相の彼の電話で予測のつかないドラマが始まる。「何を言ってもネタバレになる。こんなに宣伝しにくい映画もないよ」。来日したスミスはそうこぼしつつ、映画への思いを熱く語った。(深津純子)

 「言えないことだらけ」の反動なのか、記者会見はいつも以上のハイテンション。「この1年で3度目の来日。そろそろ市民権をくれるかな」とジョークを連発し、共演のロザリオ・ドーソンに「奥さん以外とは初めてのラブシーンは、めちゃくちゃ緊張していた」と暴露されると身を縮めて照れまくった。

 だが、映画の彼は、天真らんまんな「愛されキャラ」とは対極の陰うつな男。冒頭の救急電話につづき、映画は彼の過去へとさかのぼる。

 豪邸の書斎で、消費者窓口にいやがらせのような電話をかける。老人施設を訪れ、入所者を虐待していると所長をつるし上げる。安ホテルに移ったかと思うと、心臓病の女や、愛人の暴力におびえる母子の周辺をかぎ回る。

 国税庁職員という男の正体は。不可解な行動の目的は。謎めいたキーワードをちりばめて話は進み、「?」は増えるばかりだ。

 「こんなに驚いた脚本はない。最後の20分くらいまで、何が起きているのか見当がつかないんだから。でも、冒頭シーンの緊迫感に、結末を見届けずにはいられなかった」

 脚本を読みながら、生まれて初めて泣いたという。

 「『幸せのちから』もグッと来たけど、実際に泣くところまではいかなかった。人を愛したことがあるなら、結末に胸を揺さぶられるはず。それも、いままで経験したことのない形でね」

 タイトルが象徴する通り、主人公は人に何かを与えようとしている。その行為の是非も議論が分かれそうだ。

 「主人公にとっては、愛の行為であり贖罪(しょくざい)。でも、それをどう受け止めるかは僕自身も見るたびに変わる。正直言って、自分なら絶対にごめんだというものもある。僕は決して希望を捨てない。奇跡を信じているからね」

 それでもこの作品に引きつけられたのは、多様な解釈が可能だから。

 「これまでの僕の映画は主人公の行動が作り手の意図を体現していた。でも、今回は疑問を提示するだけ。あとは皆さんに考えてもらいたい。そこから、自分の生き方も見えてくるはずだから」

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