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飛行機事故生存の16人語る 「アライブ―生還者―」

2009年4月17日

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 37年前、飛行機事故でアンデス山中に投げ出され、仲間の肉を食べて生き延びた16人の男――。彼らの証言で構成するドキュメンタリー「アライブ―生還者―」が東京・渋谷で公開されている。生還者の一人エドゥアルド・ストラウチさん(61)は「人間には寿命がある。私たちの体験を今のうちに語っておきたかった」と話す。(石飛徳樹)

 45人を乗せたチャーター機がウルグアイからチリに向かう途中で墜落。厳寒の山中で救出を待つ間に食糧が枯渇し、体力の弱った者から次々倒れていく。10日後、残った者たちは亡くなった人の肉で生きることを決意する――。

 約70日後の奇跡的な生還と、人肉食への世論の賛否。事件はこれまでもフィクション映画「生きてこそ」などで語られてきた。生還者たちは30年後、ゴンサロ・アリホン監督から映画のアイデアを聞かされた。

 「今回の企画が素晴らしいと思ったのは」とストラウチさんは言う。「16人全員そろってカメラの前で語れたことです。私たちが体験を整理するのに30年かかった。亡くなった方の家族の気持ちなどを考えると、なかなか語る決心がつかなかった」

 特殊な体験だったため、「文明世界へ戻るのに時間がかかってしまった」とも。「人々はなんて卑近なことを考えたり話したりしてるのだろう、と。人生すべてが下らなく思えた。そして、我々の体験は絶対理解されないだろうとも思いました。元に戻るのに2年くらい要しました」

 完成前の試写を見たときに「芸術的な側面で納得できない部分があった」という。映像処理の仕方や音楽の使い方だ。「観客には感情の部分で理解してほしかった。しかも我々の側に立つのではなく、客観的に作られるべきだった。完成版は本当に素晴らしいものになったと思います」

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