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栗山千明「コミカルに徹した」 映画「鴨川ホルモー」

2009年4月22日

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写真栗山千明写真写真写真写真「鴨川ホルモー」(C)2009「鴨川ホルモー」フィルムパートナーズ

 強い目ぢからは、怨念を宿した悲劇のヒロインにぴったりで、数々のクールビューティーを演じてきた栗山千明(24)。その彼女が一転、公開中の映画「鴨川ホルモー」(本木克英監督)で観客を笑わせにかかる。意味不明の叫びをあげる大木凡人似の京大生役を「結構、地で演じました」と、意外な素顔ものぞかせた。(アサヒ・コム編集部)

■CGに想像膨らませる

 原作は万城目学の同名ヒット小説。“おばか”の極致といえる物語に対し、「『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』や『特急田中3号』など、微妙にコメディータッチのものはありましたが、ここまで徹したものはなかったですね。案外、似合う? 今後、この線で押していこうかな」。

 主人公の安倍(山田孝之)、高村(濱田岳)、栗山演じる“凡ちゃん”こと楠木ら京大の新入生10人は、謎のサークル「京大青竜会」に入る。活動は京都で千年続く謎の祭り「ホルモー」を行うことらしい。体長30センチの3頭身、茶巾絞りの顔をした小さな式神のオニたちを1人100匹、10人で計千匹操り、立命館、龍谷、京都産業の各大学とリーグ戦を行うという荒唐無稽ぶり。

 「オニはCG。場所をCGで作ることはあっても、CG相手に演じる芝居はなかなかない。『こんなの(オニ)が、ここにいるつもりで』と言われて、想像を膨らませて演じました」

 オニへの指令は、珍妙なオニ語を使う。浴衣を粋に着流しつつ、おかっぱ頭で黒縁めがねの秀才理学部生というちぐはぐな凡ちゃんも、ドスを利かせて叫ぶ。「ゲロンチョリー(つぶせ)」「アギュリッピ(突撃)」「フギュイッパグァ(止まれ)」…。

■相性合う漫画的設定

 同じ戦闘ものでも、「バトル・ロワイアル」では同級生(柴咲コウ)と、「キル・ビル Vol.1」では、敵(ユマ・サーマン)と、迫力ある殺し合いを演じた。だが今回は、レーズンを食料にして闘う小さなオニたちに代理戦争をさせる不条理笑劇だ。「ありがたいことに、これまでりりしい役、かっこいい役が多かった。それはあこがれではあるけれど、リアルではない。むしろ、凡ちゃんの方に共感しました」。「人付き合いがあまりうまくなくて。理数系は、もう好きで、楽しくて。劇中で扇風機を分解・修理する手つきも、スタッフにほめられました」

 映画では、新入生たちの恋のさや当ても隠し味に。凡ちゃんは、安倍が好き。安倍は、チームメートの芦屋(石田卓也)と交際中の美女、早良京子(芦名星)が好き。おくての凡ちゃんは、安倍に告白できない。その代わり、芦屋と仲間割れをして別チームを結成した安倍に味方して…。「私も自分の感情をあらわにしないタイプ。日常で怒ることは、まずない。でも、論理立って話をするので、相手を追いつめてしまうかも」

 いかにも漫画的な作品は、アニメ好きの栗山と相性が合ったようだ。

 「『エヴァンゲリオン』が特に好き。少女漫画は読まないけれど、少年・青年漫画は好き。単行本を買って保管し、全巻そろっているぞと、棚を眺めるのがいい。オタク的なところも凡ちゃんと似ている」

 ライトノベルも好きで、西尾維新の作品は、ほぼ全部持っているという。「キャラクター設定が濃くて、実際にそんなヤツ、いねーよ、みたいな人たちが出てくる。『鴨川ホルモー』も、ちょんまげ姿や凡ちゃん、双子がいたり。濃いキャラがいろんなことをしでかすタッチは似ていますね」。劇中、チーム敗戦の原因を作った高村は、罰として自らちょんまげを結ってしまう場面も。

■クールに笑わせる

 原作の続編「ホルモー六景」を撮影中に読んだ。「特に不思議な世界を描く場合、活字だと説明的になりやすい。でも、『ホルモー六景』は読みやすく、想像をかき立てられました」と話す。

 「死国」(99年)では亡霊を演じ、主演作「下弦の月」(04年)では、別人の悲しみが心に入り込んだ。死体から無残に切り取られた黒髪が人を襲う「エクステ」(07年)にも出演した。オカルトじみた作品での印象が鮮烈だった。「自分が怖い役だったから、怖くなかった。むしろ、どうやったら驚いてくれるかなと、やんちゃな気分にもなりました」

 「鴨川ホルモー」では、やんちゃ気分でお客さんを笑わせにかかった?

 「台本上、おいしいシーンがたくさんあった。でも、凡ちゃんの格好をしているだけでおかしいし、笑わそうという意図が見えると、逆に面白くなくなってしまう。無口で無愛想、気は高ぶっても声は低めにしました。変顔で挑む山田クンに負けないよう、私も思いきって『ゲロンチョリー』ってやりました」と語った。

 東京・有楽町の丸の内ピカデリーなどで公開中。

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