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下町の商店街まるごと再現 「なくもんか」巨大セットで撮影

2009年5月16日

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 宮藤官九郎脚本の「なくもんか」の製作が進んでいる。東京の下町に残る、人情豊かな商店街を舞台にした喜劇。東京・成城の東宝スタジオに、商店街をまるごとセットとして組んで撮影された。CGで何でも作れる現代にあって、映画美術の粋を凝らした「本物」の魅力を見せようと、水田伸生監督らスタッフは意気込んでいる。(石飛徳樹)

 東宝の第8スタジオは日本最大級の広さを持つ。そこを目いっぱい使って、東西50メートル、南北40メートルの道が交差する約1320平方メートルの巨大な商店街のセットが建てられた。

 「善人通り」と名付けられた商店街には魚屋や八百屋、和菓子屋、スナック、不動産屋、新聞販売所、交番などが所狭しと軒を連ねる。見上げれば古ぼけたアーケードが道を覆う。脇道が坂になっていて、頂上付近に赤い鳥居が立つ。

 商店街の十字路が交わる中心に、主人公の祐太(阿部サダヲ)の経営する総菜店「デリカの山ちゃん」がある。この商店街を舞台に、お人よしで働き者の祐太と、生き別れた弟で人気漫才師になった祐介(瑛太)、先代の一人娘徹子(竹内結子)らが、笑えて泣けるドラマを繰り広げる。

 映画の主役ともいえる商店街のセットを手がけたのは、清水剛美術監督。「EUREKA ユリイカ」「ウォーターボーイズ」「私は貝になりたい」(08年版)などのベテランだ。今回のテーマは「収まりよく作らない」ということだったと話す。

 「千駄木あたりの商店街を歩いてみると、現実の街は建築工学的に正しく作られてはいないことが分かります。人間一人ひとり、やることはバラバラだから、自然と収まりが悪くなっていく。私たちは美しくて収まりよいセットを作ろうとするけれど、今回はあえて崩しました。主人公たちも決して収まりよく生きていない。映画のテーマにも合ってると思います」

 水田監督から「役者の芝居をきっちり見せたい」という注文があり、VFX(視覚効果)を使わないでも撮影できるくらい、セットを完全なものに作り上げたという。建設費は約6千万円。「VFXは今の映画に欠かせない技術だが、VFXを使うと、スタッフの思考がつい、絵を成立させることにばかり向いてしまい、人物の心情表現など、本来やりたいことがおろそかになってしまうんです」

 現在編集作業中。11月に東宝系で公開の予定だ。

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