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三木聡監督の新作「インスタント沼」が公開中

2009年5月30日

 ギャグ映画の鬼才、三木聡監督の「インスタント沼」が東京・テアトル新宿などで公開されている。「亀は意外と速く泳ぐ」など脱力系と形容されるコメディーで人気の同監督だが、最近、作風に変化が現れ始めたようだ。

 じり貧状態の女性(麻生久美子)が本当の父親(風間杜夫)と出会い、生きる活力を取り戻す。と書けば普通の映画のようだが、そこは一筋縄ではいかない展開が待つ。「主人公が様々な体験をして成長するという神話的な物語。宮崎駿監督も神話的モチーフを使いますが、それを思い切り変化球にしたのがこの映画です」

 「トリビアの泉」などの構成作家を経て、05年に「イン・ザ・プール」で監督デビュー。「ギャグを映画の中でやりたいとの思いが強かった。ギャグを生かすにはバカはバカのまま成長しない方がいい。しかもギャグは客観的な方が面白い。それはストーリーを冷めさせる。ストーリーとギャグは対立するものだという意識がありました」

 しかし前作「転々」あたりから変化が現れ始めた。「ギャグに対する縛りから少し解放されてきた気がする。ギャグとストーリーが両立する方法があるんじゃないかと」。きっかけは前々作「図鑑に載ってない虫」だ。「トリッキーな実験作だったので、『転々』ではドラマに寄った作品を撮りたくなった。しかし、『図鑑』で試した方法が別の形で出て来たのだと思います」

 ゆるい笑いが持ち味だが、撮影では何度もリハーサルを重ね、アドリブは全くないのだという。「俳優同士の距離やセリフのタイミングまできちんと作ります。現場は過酷だけど、殺伐としないよう気を付けています。怒号飛び交う中で、『面白いこと言って下さい』というのはツラいですからね」

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