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「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」トラン監督に聞く 木村拓哉らスター共演

2009年5月30日

写真トラン・アン・ユン監督

 トラン・アン・ユン監督の新作「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」が6月6日から公開される。米国のジョシュ・ハートネット、韓国のイ・ビョンホンら各国のスターが共演する思索的なサスペンス。日本からは木村拓哉が、キリストをほうふつさせる重要な役で出演している。(石飛徳樹)

 この作品の粗筋を語るのは、かなり難しい。骨格のみを記せばこうなるだろうか。

 ロサンゼルスの探偵クライン(ハートネット)の元に、富豪から「息子のシタオ(木村)を探して欲しい」との依頼が舞い込む。アジアにいたシタオは、他人の痛みを自分の体に移動させる力を持ち、苦しみにあえぐ人々を救済していた。ある時、シタオは香港ヤクザ(イ)の愛人を麻薬中毒から救う。そこから3人の男のドラマが始まる……。

 トラン監督はベトナム出身。「青いパパイヤの香り」「シクロ」など、濃密な官能をたたえた繊細な映像で世評が高い。しかし、今回は、激しい暴力の連続するハードボイルドに挑んだ。

 「暴力も官能も、観客の感性に訴えかけるという意味では同じです。肉体的にも精神的にも激しい苦痛を伴う現代社会を、アートを通して描き出したかった。観客にも痛みというものをシリアスに感じ取ってほしいのです」

 木村演じるシタオは、イエス・キリストのように、人々の痛みを引き受け、彼らの代わりに激しくもがき苦しむ。日本のテレビで見せる涼やかなヒーロー像とはまるで違う極限の演技を見せている。

 「木村さんが日本でどれほどのスターであるか、よく承知していました。だから、そのイメージを一度壊してもらった。みんなが知る彼の美しさとは、異なる美しさを表現してもらいました」

 ジャングルの中で倒れている木村の体じゅう(眼球にまで!)を、ウジ虫やムカデのような生物がはい回るシーンがある。

 「あれは本物ではないんです。いや、生きている虫なんですが、この撮影のために養殖したものです。だから衛生上の問題はありません。木村さんは自らたくさんの虫を自分の顔につけたりして、積極的に取り組んでくれました」

 東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開。

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