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織田裕二、ローマで語る「アマルフィ」

2009年7月24日

 映画「アマルフィ 女神の報酬」(公開中)で在ローマ日本大使館の外交官役を演じた俳優の織田裕二が、ロケ地となったローマに今月、再び降り立った。イタリアの夏の日差しが似合う男が、新作を熱く語った。

 「アマルフィ」はフジテレビが開局50周年を記念して製作。作家の真保裕一が映画のために原作を書き下ろし、織田のほか天海祐希、佐藤浩市、福山雅治ら豪華俳優陣が脇を固める。

 外交官の黒田(織田)は、あるミッションを帯びてG8外相会合が開かれるローマに赴任した。その直後、邦人少女の誘拐事件に巻き込まれる。身代金目的だと思われた事件は、徐々に違った展開を見せ始めた――。

 撮影は昨年12月から3カ月間、ローマ、ナポリ、そして世界で最も美しい海岸線といわれるソレント半島のアマルフィ海岸で行われた。サンタンジェロ城やスペイン階段などの名所旧跡がふんだんに、しかしさりげなく背景に使われる。

 「日本映画が外国ロケをすると『ここで撮りました』と風景を強調するものが多いけど、この映画は『芝居を見てほしいんだ』というぜいたくな撮り方をした」と織田。

■ODA疑惑・大臣辞任…日本外交への皮肉も込める

 映画には、G8外相会合、テロリストによる日本大使館占拠、途上国援助(ODA)をめぐる疑惑、大臣の辞任など、実際に起きた出来事からヒントを得たとみられる場面がちりばめられている。

 日本外交への皮肉も込められた。「無駄遣いは外交官の特権です」は、身代金を用立てた黒田の言葉だ。外交官には襟を正してほしいと語りつつ、「あのセリフが好きなんです」と織田はいう。「ただ『面白かった、泣けました』では僕は満足できない。映画には毒も必要なんです」

 織田の演じる人物は、「踊る大捜査線」シリーズの青島刑事、「県庁の星」の公務員役など、組織とのはざまで苦悩する役柄が印象的だ。「体制側ではあるけれども黒田や青島みたいな人物。いてほしいと思うでしょ」

 今回ローマを訪れたのは、テベレ川の中州ティベリーナ島で開かれた日伊交流イベントでの上映企画(13日)に出席するため。イタリアで行われた主要国首脳会議(G8サミット)に奔走した本物の外交官からは鑑賞後、「オレたちの仕事はあんなに格好いいものじゃないよ」という声も。安藤裕康・駐イタリア大使は「在外公館で最も重要な仕事は邦人保護だというメッセージがよく伝わった」。

 「僕にとってはこの映画こそがスタートだと思う」と織田。視線はすでに「次」のステップに向けられていた。(ローマ=南島信也)

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