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岡田茉莉子が自伝出版 31日から回顧上映も

2009年10月30日

写真:岡田茉莉子さん=門間新弥撮影岡田茉莉子さん=門間新弥撮影

 俳優生活58年の岡田茉莉子が自伝を出版した。父の岡田時彦や夫の吉田喜重を始め、小津安二郎や成瀬巳喜男、佐田啓二や原節子ら巨匠やスターとの交流を自ら書き下ろした592ページ。出版を記念し、自身が選んだ出演作34本の回顧上映も、31日から東京で開かれる。岡田に話を聞いた。

 33年生まれ。父の岡田時彦は無声映画のスターだった。51年、東宝入社。芸名は谷崎潤一郎が付けた。父の名付け親も谷崎だ。「岡田の姓はぜひ継いでくれと谷崎先生がおっしゃって。なぜ父の姓が岡田だったのかしら。聞いておけばよかったわね」

 人見知りが激しく、俳優になりたくはなかったが、母親が東宝入りを決めてきた。入社早々、成瀬監督の「舞姫」でデビュー。「1作でやめようと思ってた。でもそのうち演じることが面白いと思えるようになってきて」。今は、「カチンコの音の緊張感が大好きになった」という。

 50年代は、マキノ雅弘監督の「やくざ囃子」、成瀬監督の「流れる」など巨匠たちの作品に精力的に出演してきた。

 「秋日和」では厳格な小津監督に挑んだ。手の上げ下げさえ俳優の個性を許さない演出で知られる。「私の役はコメディーリリーフ(喜劇的な役)だから、リハーサルでセリフのテンポを速くしたんです。小津さんが『よくそんなに速くしゃべれるね』とおっしゃったので『いけませんか』と聞きました。そしたら『いいよ、それで』って」

 その後、吉田監督「秋津温泉」で評価を受け、夫となった吉田と組み、「エロス+虐殺」「煉獄エロイカ」などの問題作を立て続けに発表した。

 71年の「告白的女優論」は、吉田の「まもなく映画スターという存在がなくなる」との危機感から生まれた。彼の予想通り映画界からスターが消えて久しい。

 岡田は言う。「映画会社がスターを作らなくなりましたから。CMで当たるとすぐ映画に主演させる。鍛えられてないから消えるのも早い。長続きしない人をスターとは呼べません」

 自伝「女優 岡田茉莉子」は文芸春秋刊。3千円。回顧上映はポレポレ東中野で11月20日まで。トークやサイン会もある。

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