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映画「ワカラナイ WHERE ARE YOU?」 現実映す 貧困少年の目

2009年11月20日

写真:小林政広監督=東京都内小林政広監督=東京都内

■絶望・孤独、ドキュメンタリー仕立て

 貧困にあえぎ社会から孤絶する少年を描いた映画「ワカラナイ WHERE ARE YOU?」が公開中だ。監督は「愛の予感」でロカルノ国際映画祭グランプリを獲得した小林政広。「少年の目から今の日本の現実がどう映るか、セリフを極力減らしたドキュメンタリータッチで撮ってみたかった」と話す。

 16歳の亮は、電気も水道も止められた暗いアパートで独り暮らし。バイト先のコンビニから持ち帰った食べ物で命をつなぐ。父は別の家庭を持ち、入院中の母は愚痴ばかり。やがて仕事も母も失った亮は、ただ一つの希望となった父を訪ねる旅に出る。

 映画初主演の小林優斗が放つ暗く重い絶望と孤独が、画面を塗り込める。

 「彼だけ別の宿に泊まらせ、食事は撮影中に食べるものだけにした。亮のガツガツした食い方は、彼から自然に出てきたものです。かわいそうに思ったスタッフが一緒に食事したら、次の日、目に生気があり、安心したような余裕が出てしまった。『失敗した』とすぐ元に戻しました」

 小林監督自身の体験が本作の出発点。昨年、前妻と暮らす16歳の息子と3年ぶりに再会した時、誰だか分からなかったことがショックだった。監督自ら、亮の父を演じた。

 「僕はトリュフォーの『大人は判ってくれない』を見て映画監督になりたいと思った。だからいつかは少年が主人公の映画を撮ろうと思っていた。54歳になってようやく、少年を客観的にとらえることができた」と苦笑する。

 東京のヒューマントラストシネマ渋谷で公開中。順次各地で。

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