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〈映画大好き!〉「フランダースの犬」題材の「スノープリンス」

2009年11月27日

■初出演の2人、大自然に挑む

 「フランダースの犬」をモチーフに、純粋な少年少女の悲恋を描く映画「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」が、12月12日から全国公開される。映画初出演の森本慎太郎と桑島真里乃が、酷寒の中の撮影に耐え、みずみずしい演技を見せている。

 昭和11年の雪国の村。炭焼きの祖父と暮らす10歳の草太(森本)は、豪商の一人娘早代(桑島)と大の仲良し。捨てられた子犬をチビと名付け、早代と2人でかわいがる。絵描きになる夢を持つ草太は、村に来たサーカス団の謎めいたピエロ(浅野忠信)に、「本当に描きたいものを探すんだ」と励まされる。だが祖父が倒れて暮らしはますます厳しくなり、早代の父からはつきあいを禁じられる。

 「おくりびと」の小山薫堂の脚本を、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の松岡錠司が監督した。

 「草太はひたむきで純朴で、天使みたいな奇跡の存在。慎太郎はオーディションで口数も少なかったけど、オーラを放ってた。本人は気づいてないけどね」と松岡。「真里乃はオーディションで最初に会った子。波長が合ったのかな、すぐに決めた」

■酷寒の撮影 涙も

 山形・庄内でロケ。大規模な屋外セットを囲む雄大な山々、澄んだ流れ、純白の雪が悲壮美を醸し出す。「あの映画的な風景は過酷な自然のたまもの。観客を幻想的な気分に浸らせてくれるでしょう」と松岡。しかしキャストにとっては受難の日々だった。

 「学校のシーンが寒かった」と桑島。夜の校舎に忍び込み、早代が草太にドビュッシーの「月の光」を聴かせる場面。未経験だったピアノを撮影のために練習してきた。「指がちゃんと動くよう、楽屋のストーブでずっと手を温めていました」

 「カイロを背中に四つはって、ポケットに二つ入れた。滝での撮影は靴の中にも入れたけど、それでも足の感覚がなくなった」と森本。そのとき隣の桑島は、寒さと水の冷たさにべそをかいていた。草太が早代の手を引いて去るはずが、転んでしまって慌てた森本が、桑島のマフラーを引っ張ってフレームアウト。松岡は「気がついたけど、OKにしましたよ」と苦笑する。

 草太や早代に寄り添い、じゃれつくチビの自然な演技が見もの。「トレーナーとのチームワークがカギ。動きを教えたら1度目か2度目で決める。何度もやらせると飽きるみたい」と松岡。

 「お客さんの『泣ける』という期待を裏切ってもいけないけど、たやすく迎合もしたくなかった。音もなく降り積もる雪のように、見た人の心の中に、大切な思いのようなものがすっーと積もればいいかな、と思っている」(篤)

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