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伝説の仏監督 ロジエの世界 主要作品を特集上映

2010年1月22日

写真:ジャック・ロジエ監督「オルエットの方へ」拡大ジャック・ロジエ監督「オルエットの方へ」

 フランス映画ヌーベルバーグの一翼を担いながら、日本での劇場公開が限られていた伝説の映画監督ジャック・ロジエの主要作品が東京・渋谷のユーロスペースで23日から特集上映される。日常から切り離された夏の日々をホームムービーのような手法で描いた作品群には、かけがえのない時間が凝縮されている。

 ロジエは1926年生まれ。58年の短編「ブルー・ジーンズ」を見たジャンリュック・ゴダールがプロデューサーに推薦し、初長編「アデュー・フィリピーヌ」を撮影、62年のカンヌ国際映画祭に参加した。

 即興を生かしたみずみずしい映像で脚光を浴びたが、半世紀余りのキャリアで完成したのは十数本という寡作。特集では「アデュー・フィリピーヌ」「オルエットの方へ」、「メーヌ・オセアン」の長編3本と「ブルー・ジーンズ」などの短編を上映する。

 「ジャック・ロジエのヴァカンス」という特集のタイトル通り、水辺の夏休みがお気に入りの題材。「アデュー・フィリピーヌ」は、アルジェリア戦争の兵役を前にした青年の休暇先で2人の女の子が恋のさやあてを繰り広げ、「オルエットの方へ」は仲良し3人娘が遊びに行った浜辺の別荘に会社の上司が乱入して大騒ぎ。「メーヌ・オセアン」は長距離列車で意気投合したブラジル人の踊り子と女性弁護士が漁師の島へ旅をする。

 なりゆきまかせの展開が、おおらかなユーモアを生む。笑い転げる女性たちのコケティッシュな姿も魅力的。いつまでも続くと思った高揚感が、ふいに幕を下ろした後の切なさ。ロジエのバカンスは人生とよく似ている。

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