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〈映画大好き!〉「ゴールデンスランバー」 ヒロインの竹内結子さん

2010年1月29日

写真:竹内結子さん=郭允撮影拡大竹内結子さん=郭允撮影

■「等身大」へのこだわり/「きずな」演出に奏功

 本屋大賞も受賞した伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」が映画化された。警察に追われる主人公の昔の恋人を、竹内結子が演じている。産休から復帰以来、好調の続く竹内だが、今回は30歳を迎えた女性の等身大の人生を、誰もが共感できるように造形している。30日から各地で公開される。

 中村義洋監督とは「チーム・バチスタの栄光」など3度目のコンビになる。「今回は特に役作りをしなくていいから」と言われたという。「それって、私が演じる晴子は、自分に近いということなのかな。そう思うと、どうも彼女を客観視出来なくなっちゃって」

 晴子は、学生時代に付き合っていた青柳(堺雅人)がテレビに映っているのを見て驚く。首相暗殺容疑で手配されていたのだ。2人は大学の同じサークルに属し、常に仲間4人でつるんでいた。彼女は今、別の男性と結婚して娘がいる。青柳とは音信がない。

 「今の生活を壊してまで青柳君を助けるわけにはいかない。でも彼がそんな人間じゃないことは知っている。その間で揺れる気持ちがずっとあった。今の晴子は青柳君と会うことも、話をすることもない。私、この届きそうで届かない感じが大好きなんです」

 竹内は晴子と同世代。だから昔の仲間との距離感が理解できるという。「高校生のころ、友達と遊んでいたのはついこの間のように思うけど、実は10年以上前のこと。当時の友達に会えば距離はすぐ縮まるけれど、就職や結婚で、絶対的に縮まらないものが出来てしまっているというか」

 見終わって印象に残るのは学生時代の仲間を始めとする人間同士のきずなの深さだ。彼らのきずなを見て、観客も自らの人間関係に思いを致す。その意味で晴子は誰にとっても身近な存在でなければならない。

 「仕事している時の竹内結子を取っ払ったら、私自身に近いような気がします。でもそのままかと言われたら違うようにも思う。特別変わった人間じゃない晴子が、何を感じて行動しているのかを表現するのは難しかったですね」

 特に青柳に別れを切り出す心情は複雑だ。その不条理に男子は震え上がり、女子は共感する。「怖いですよね。監督には『遠くを見てボソッと話して。意味を込めないように』と言われた。そして『ため息を一つついてみようか』と。冷たく聞こえますよね。あれが私自身だ、とは絶対思いたくないですよねえ」

 そんな場面もサラリとこなせるのは産休復帰第1作「サイドカーに犬」で奔放なヨーコを演じたおかげだ。「私、いい子でいなくていいんだ、って。解放された気分になりました。こんな自分もありかなと。今後も、出来れば変わっていきたいと思ってます」(飛)

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