2010年1月30日
真冬の映画イベントとして知られる北海道の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が第20回を迎える。運営主体だった夕張市の財政破綻(はたん)を乗り越え、市民映画祭として生まれ変わって3年目。2月25日から始まる今回は、夕張ゆかりの映画をメーンにすえて、節目の年を祝う。
ゆうばりファンタは、石炭から観光への産業転換を目指していた夕張市が目玉事業として1990年にスタート。同じ雪国が会場の仏・アボリアッツ・ファンタスティック映画祭を手本に、SF、ファンタジー、ホラーなど娯楽作を中心に上映。ゲストの映画人との垣根の低さや、市民の手作りのもてなしでも好評を集めた。
同市が財政難で運営から手を引き、07年は休止に追い込まれたが、存続を熱望するファンや元スタッフらが中心となって08年に再開。若手作家の登竜門となってきたオフシアターコンペティションも継続された。
今回の上映作品は70本。第20回を記念して、夕張がロケ地となった「幸福の黄色いハンカチ」(77年)をウィリアム・ハート主演でリメークした「イエロー・ハンカチーフ」を日本初上映し、山田洋次監督のオリジナルも完成したばかりのデジタルリマスター版で上映。山田監督ら、夕張ゆかりのゲストのトークも予定する。
コンペ部門は香港ノワールの名匠ジョニー・トーを審査委員長に、356本から選んだ9本を上映。同部門とインディーズ作品を集めた「フォーラム・シアター部門」の出品作は、2月25日から28日まで、スカパー!とスカパー!e2でも無料放送される。
3月1日まで。問い合わせは電話0123・53・2637(事務局)