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色気封じ「優等生」好演 アナ・ケンドリック

2010年3月27日

写真:アナ・ケンドリック=小杉豊和撮影拡大アナ・ケンドリック=小杉豊和撮影

 有能なリストラ請負人の人生の岐路を描いた「マイレージ、マイライフ」が公開されている。この作品で米アカデミー賞助演女優賞候補になったのが24歳のアナ・ケンドリック。受賞は逃したが、主人公の下で働く若手社員をはつらつと演じている。

 主人公のライアンは、企業に代わって解雇を通告する仕事に就いている。全米から依頼が絶えず、年間の出張日数は322日。旅慣れた彼は人生に関しても「大きな荷物を背負わない」という哲学を持つ。しかし彼の前に現れた2人の女性が自信を揺るがす。

 その一人がケンドリック演じるナタリーだ。仕事熱心だが融通が利かない優等生タイプ。「まず、こんな若者いるよね、と観客に思わせないといけない。そのうえで、彼らは心の奥でこんなことを悩み考えているんだ、と理解してもらえる演技をするのは結構チャレンジングでした」

 見事なのは色気を完全に消し去っていること。「ナタリーは、女を武器にしたと中傷されるのを一番嫌う女性。だから、シャツのボタンを上まで留めたりしました。知人には、普段見せない表情だったよ、と言われました。ナタリーの話をする時だけは彼女の表情が出るね、とも」

 ライアン役のジョージ・クルーニーが主演男優賞に、彼を取り巻く女性を演じたベラ・ファーミガとケンドリックが助演女優賞にと、この作品から3人の俳優がアカデミー賞にノミネートされた。

 「これは偶然ではありません。ジェイソン・ライトマン監督の脚本と演出のおかげです」と強調する。「彼の書くセリフは、入念に作り込まれていながら、実に自然にしゃべっているように聞こえる」「彼はリハーサルなしでカメラを回します。まず役者の勘を尊重するのです。しかし、気に入らないと、こと細かな指示が待っている。監督がバックアッププランを持っていることが、役者の安心感につながるのでしょうね」

 先日行われたアカデミー賞授賞式には母親と出席した。「初めはとても緊張していました。でも、すごく喜んでくれて興奮している母を見て、私もこんな特別な夜を緊張して過ごしてはもったいない。母のように素直に楽しめばいいんだと思えました」

 しかし発表の瞬間は大変だったという。「自分の名前が呼ばれることはないと思っていましたが、候補者の顔のすぐ前にカメラが来るんです。理知的に礼儀正しく見えるよう、自然な笑みを浮かべていなければなりませんでした」(石飛徳樹)

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