現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. 映画
  5. 記事

名匠スコセッシ監督と練り上げた「謎」 レオナルド・ディカプリオ

2010年3月26日

写真:レオナルド・ディカプリオ=関田航撮影拡大レオナルド・ディカプリオ=関田航撮影

 マーティン・スコセッシ監督の新作「シャッター アイランド」が4月9日から全国公開される。精神を病んだ凶悪犯罪者を収容する孤島の病院が舞台のサスペンス。「ディパーテッド」に続きスコセッシと4度目のタッグを組んだ主演のレオナルド・ディカプリオが、名匠との仕事のだいご味を語った。

 東西冷戦下の1954年。ボストン沖に浮かぶ病院から、女性患者が消えた。厳重な警備をどうやって逃れたのか? 残されたメモの意味は? 現地捜査に赴いた連邦保安官テディ(ディカプリオ)は、不気味な要塞(ようさい)島で底なしの恐怖に巻き込まれる。

 「ミスティック・リバー」のデニス・ルヘインの同名小説が原作。邦訳の単行本で最終章と解説が袋とじにされたほど、結末の衝撃は強烈だ。

 「現実と悪夢が混然一体となり、謎が新たな謎を呼ぶ。まるで複雑なジグソーパズル。これまで出演した中でも一番の難役だった」とディカプリオは語る。

 彼を乗せた船が霧の海を渡る冒頭の場面から、クラシックなミステリーの香りが濃厚に漂う。希代の映画好きで知られる監督は、撮影前にキャストやスタッフにお気に入りの映画を山ほど見せてイメージを伝えたという。

 「マーティー(監督)は映画を見ながらしゃべりっぱなし。『そうそう、これ! このシーンがいいんだ』『レオ、あの刑事の動きをよく見て!』『背景も最高だろ?』。子供みたいに目を輝かせ、膨大な映画の記憶を大盤振る舞いしてくれる。そこから新しいものを創造するのが彼の流儀。この準備作業がいつもすごく楽しみなんだ」

 監督が特に薦めたのが、ヒチコックの「めまい」、オットー・プレミンジャーの「ローラ殺人事件」、ジャック・ターナーの「過去を逃れて」。精神疾患者の刑務所を描いたフレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー「チチカット・フォーリーズ」も“必見作品”に指定され、この刑務所に勤めた医師が現場を監修した。

 「マーティーが他の監督と違うのは、ジャンル映画でも真実性を追求するところ。そして、彼は僕らに決して『ノー』と言わない。芝居がイメージに合わないと『求めているものと違う』と言う監督が多いけど、彼はたとえ端役でも『なぜそうしたの?』と役者の意見を必ず聞く。登場人物の所有権を役者に与えてくれるから、やりがいがあるんだ」

 何げないしぐさや視線が謎解きのカギになる今回は、現場での話し合いもいつも以上に熱が入ったという。

 「結末を知った上でもう一度見たくなる話だからね。それに堪える演技になるよう頑張った。1回目は謎解きのスリルを味わい、2回目はヒント探しを楽しんでもらえたらうれしいな」(ん)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内