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常連の名匠、気鋭の新作も カンヌ映画祭、華やかに開幕

2010年5月14日

写真:北野武監督「アウトレイジ」拡大北野武監督「アウトレイジ」

 第63回カンヌ映画祭が12日(日本時間13日未明)、リドリー・スコット監督の「ロビン・フッド」で華やかに幕を開けた。12日間の会期中、南仏のリゾート地は映画一色になる。「アウトレイジ」で参加する北野武監督ほか、カンヌ常連の名匠や気鋭の新作が集まる。

レッドカーペットの模様はフォトギャラリーで

 開幕式当日昼、米国のティム・バートン、スペインのビクトル・エリセ両監督ら、コンペティション部門の審査員が、世界の報道陣を前に和やかに会見した。が、秀作の中から頂点を選ぶ苦悩は日増しに強くなるに違いない。

 過去に最高賞パルムドールを受賞した監督がふたたび、みたび、同じコンペの土俵で賞レースに加わるのもカンヌの魅力だ。1996年に「秘密と嘘」で受賞した英国のマイク・リーの新作は「アナザー・イヤー」。熱情やねたみ、友情が、穏やかな風景の中で交わる群像劇。違法な中絶を施す女性の痛みを映した「ヴェラ・ドレイク」では、2004年のベネチア映画祭で金獅子賞を取っている。

 自殺の手助けを求める男を描いた「桜桃の味」で、「うなぎ」の今村昌平と97年に賞を分け合ったイランのアッバス・キアロスタミはジュリエット・ビノシュら欧州の俳優を起用した新境地。アイルランド独立闘争の黎明(れいめい)を映した「麦の穂をゆらす風」で06年に受賞した英国の社会派ケン・ローチの顔も。

 アジア勢では、韓国のイ・チャンドンが「ポエトリー」で参加。孫と暮らす女性が詩作に目覚め、自身の内面と向き合う。東京フィルメックスでなじみ深いタイのアピチャッポン・ウィーラセタクンも登場する。一方、「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマンは、ナオミ・ワッツとショーン・ペン主演で米中央情報局(CIA)を描いたという。ハリウッドの娯楽系監督の存在は、映画祭のスパイスだ。

 注目の北野武は「アウトレイジ」で十八番の暴力描写を全開。自身は暴力団組長を演じる。三浦友和や椎名桔平、加瀬亮、石橋蓮司らの芸達者がそろう。一級品の面白さが過ぎて、ティム・バートンらの審査員に「賞向きでない」と判断されなければよい。北野は「今回はよくぞ選んでくれました、だよね。キアロスタミの映画とオレの暴力映画が一緒に上映されるなんて、ちょっと笑っちゃうよね」。

 「ある視点」部門では、ヌーベルバーグの旗手で今年80歳のジャンリュック・ゴダールの長編「フィルム・ソシアリズム」が目玉だ。「のようなもの」「我々の欧州」「我々の人間性」の3部分に分かれているという。中田秀夫が英国で撮った「チャットルーム」も、同部門に参加する。(カンヌ=石飛徳樹)

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