口を大きく開けて歌うメンバーたち=長崎市大黒町
平均年齢77歳の女声合唱団が長崎市にある。その名も「ザ・シワクチャーズ」。創立40周年を迎える今年も元気な歌声を披露している。
練習場にしている市内の会議室に、指揮者の中村とし子さん(80)の声が響き渡る。「ちゃんと心を込めて」「ソプラノは自分勝手に進まない。アルトを聴いて」……。メンバーはピアノの伴奏に合わせ、口を大きく開けて何度も歌を繰り返す。
毎週月曜に2時間みっちりと歌い込む。大会が近づくと、練習は週2回に増える。長崎を舞台に書かれた女声合唱曲「万華鏡の花」などが持ち歌だ。
入団資格は「還暦以上の女性」。1980年ごろには70人ほどの団員がいたが、現在は62〜88歳の23人。中村さんが「肩がこる人? 腰が痛い人?」と尋ねると、ほとんどの人が手を挙げた。
最高齢の岩本不二子さん(88)は入団して約30年。腰が悪く、歩くのもつらいが、練習にはタクシーを使って休まず通う。「大して(上手に)歌いきらんけど、歌うのは好き。声も出るようになったし、うちにじっとしているよりいいでしょ」
代表の川内圭子さん(76)によると、ザ・シワクチャーズが結成されたのは68年。旧県立長崎高等女学校の卒業生の有志数人が同窓会の出し物として合唱を練習したのが始まりだ。当時すでに大半が60代だったが、練習風景を見た音楽家が歌いっぷりに感心しつつ「みんな、しわくちゃやっか」とちゃかしたのが、名前の由来という。ビートルズが来日した2年後だった。
川内さんは「みんな『しわくちゃだけど、若いのよ』という気持ちでやっている。腹式呼吸で歌うと、体にもいいし、気持ちも晴れる。初心者でもいいので、どんどん入団してほしい」と呼びかける。
県合唱連盟の松川暢男理事長は「長く生きてきた人生を歌声で表現してくれる。最近盛んになってきたシニアコーラスの先駆け。ザ・シワクチャーズの合唱を楽しみにしている人も多い」と話している。
29日には、熊本市で開かれる全日本おかあさんコーラス九州支部大会(朝日新聞社など主催)に出場する。(伊東聖)