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がばいアイドル平均75歳、六本木ヒルズに登場

2008年11月3日

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写真六本木ヒルズで歌と踊りを披露した「GABBA」=10月23日、東京都港区、池田良撮影写真六本木ヒルズで歌と踊りを披露した「GABBA」=10月23日、東京都港区、池田良撮影

 佐賀県武雄市が誇る平均年齢75歳のアイドルユニット「GABBA(ガバ、最初のBは鏡文字)」が人気を博している。ベストセラー小説「佐賀のがばいばあちゃん」のテレビドラマでロケ地になったのをきっかけに結成され、07年6月の歌手デビュー以来、公演回数は100回を超えた。先日は東京・六本木ヒルズにも進出。その歌と踊りは、後期高齢者医療制度の混乱など、お年寄りをめぐる昨今の暗い世相を吹き飛ばすパワーにあふれている。

 「血圧はOKですか? じゃあ、いきましょう!」

 10月23日、六本木ヒルズの特設ステージ。ピンクのTシャツにもんぺ姿の「がばいばあちゃん」たちが登場した。62〜91歳の8人。

 東京国際映画祭の関連イベントで、約200人の観客を前に「うれしか・楽しか・ちゃーがつか(恥ずかしい)」など2曲と踊りを披露。「うちたちも つらか こともあった。でもね 今は うちたち がばい 幸せ〜」と方言たっぷりに歌い上げた。

 リーダーの永松栄子さん(82)は「舞台が大きいから、メンバーもいつもよりノリが良かった。ほんと、がばい幸せ」と、ほおを上気させた。司会を務めた樋渡啓祐・武雄市長も「全国区の手応えをつかんだ。次は紅白出場」。真顔で意気込む。

 「武雄のがばいばあちゃん」ことGABBAは、武雄市でロケをした07年1月のドラマが高視聴率(20%)を記録したのを受け、元気で活躍するおばあちゃんに観光PRに一役買ってもらおうと市長が同月末に任命した。

 永松さんらは、今も農家やまんじゅう屋などで元気に働く。各メディアで盛んに取り上げられ、同6月にはユニット名「GABBA」で歌手デビュー。高齢者が歌いやすいメロディーにのり歌って踊るステージが受け、九州各県をはじめ、名古屋や京都、新潟県三条市など各地から地域おこしのイベントや敬老会などの公演依頼が相次ぐ。

 市はドラマ誘致による知名度アップや地域活性化などの「がばい効果」を50億円以上とはじく。多い時には1カ月に約10公演をこなす「売れっ子」だが、市のPRなので原則としてボランティア出演。受け取るのは交通費や宿泊代などの実費だけという。

 国交省の観光カリスマ百選に選ばれた大分県・長湯温泉協会会長の首藤勝次県議(55)は「元気がないと言われる地方から、『こんなに元気なお年寄りがいる』と全国に発信する姿は痛快。ただ、一過性のイベントは、熱が冷めれば関心も薄れる。地元の歴史や文化に根ざすPRにつなげる工夫が大切」と話す。

■「人前に出るから、めかして若返る」

 「年寄りが自分の言葉で社会に意見を言える場をつくってもらえたことがうれしい」

 永松さんは、年齢、学歴、収入もバラバラのメンバーの取りまとめ役だ。地元農家の長女に生まれ、代用教員として小学校に5年勤めた後、子育てのため退職。家業を手伝い、47歳で当時最年少の農協婦人部会長を務めた。

 GABBAではそこで培われたリーダーシップを発揮。仕事を優先し、練習に参加しないメンバーに批判が出ると、「お互いの仕事、収入を認め合わないと人の和はできない」と諭し、結成1年目で訪れた分裂の危機を乗り切った。

 体調は万全ではない。9月には膀胱(ぼうこう)がんで3度目の手術を受けた。心配する家族らを「良い仕事をして、いい生き方をしたと言われたい。六本木ヒルズで倒れても本望」と説き伏せた。担当医も「肝の据わったばあちゃんだ。がんに勝っている」と舌を巻く。

 「人前に出るからおめかしもするし、若返る。嫁に『うちのばあちゃんのような生き方をしたい』と思わせる人生を送るのが目標」(白石昌幸)

     ◇

〈GABBAメンバーの芸名と本名〉

・がばいおとみさん=岩本富子さん(91)

・ストロベリーえいちゃん=永松栄子さん(82)

・かっぱきみちゃん=石橋キミエさん(80)

・まんじゅうてっちゃん=浦川テツヨさん(78)

・おしゅんとしちゃん=塚原俊子さん(67)

・もんぺみよちゃん=緒方美代子さん(64)

・おやきのゆうちゃん=宮原祐子さん(62)

・(補欠)会長やっちゃん=中川康子さん(66)

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