「アンダーグラウンド」や「黒猫・白猫」などで知られる映画監督エミール・クストリッツァ。旧ユーゴ・サラエボ生まれでカンヌ国際映画祭のパルムドールなど数々の受賞歴に輝く彼には、もうひとつの顔もある。ロックバンドのギタリストだ。社会主義体制の検閲を生き残ったビッグバンド「ノー・スモーキング・オーケストラ」を引き連れ、初来日公演する。(近藤康太郎)
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エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラの音楽はウンザ・ウンザ・ミュージックとも呼ばれる。ロックやジプシーミュージックなど多彩な音楽のエッセンスをのみ込んだ、テンポの速い2拍子の曲が多い。
クストリッツァが本格的にバンド活動を始めたのは、「パパは、出張中!」でパルムドールを取った後の80年代後半から。
「パンクのイベントに参加したんだけど、当時はかなりなスキャンダルだったよ。僕は当時演劇学校で教えていた。教授がパンクバンドでギターを弾き始めたんだからね」とクストリッツァは言う。映画監督のお遊びではなく、一時期は映画界を離れるほどバンドにのめり込んだ。
「最初、コードは四つしか知らなかった。ノイズミュージックを含めていろんな経験をしたよ。ギター教育を受けたわけではない。ストリートで始めて、ストリートで終わるんだ」
ノー・スモーキング・オーケストラの音楽は、ロックはもちろんジャズ、タンゴ、スカ、ファンク、それにバルカン民謡など変幻自在に取り入れる。人種のるつぼバルカン半島を、ある意味で体現している。
「そこがジプシーミュージックのとんでもないところ。バルカンで最も『世界市民的』な音楽。あらゆるいい音楽を吸収して、適用してしまうのがジプシーミュージックなんだ」
26日、東京ドームシティ内JCBホールで。ホットスタッフ・プロモーション(03・5720・9999)。