T−SQUAREのリーダー安藤正容(右)と伊東たけし=東京都内、東川哲也撮影
日本のフュージョンシーンを代表するバンド、T―SQUAREがデビュー30周年を迎えた。5月下旬には旧メンバーを加えた「スーパーバンド」として記念アルバム「ワンダフル・デイズ」(ヴィレッジ)を発表し、全国ツアー中。リーダーでギターの安藤正容(まさひろ)、サックスの伊東たけしが30年を振り返った。(西正之)
78年、THE SQUAREとしてデビュー。カシオペアとともに日本のフュージョンファンの人気を二分するバンドとなった。88年に米国デビューする際、同名バンドがあったため、T―SQUAREに改名。途中、何度となくメンバーチェンジを繰り返し、00年から安藤、伊東のユニットになったこともある。04年に河野啓三(キーボード)、坂東慧(ドラム)を加え現在の4人体制になった。
安藤が紡ぎ出したポップなメロディーを、伊東が歌うように吹く――。バンドの顔である2人の役割は昔も今も変わらない。しかし、91年には伊東がバンドを離脱し、ソロ活動に移っていた時期があった。「ヒット曲も出て、ある種の達成感を得た気がした。乗り切れない自分の存在が申し訳なかった。米国に行って色々痛い思いもして、僕の表現にとって安藤の存在の大きさを改めて感じた」と伊東は言う。
記念アルバムには、和泉宏隆(ピアノ)、則竹裕之(ドラム)ら旧メンバー5人も参加。収録した全10曲が新作で、曲ごとにメンバー構成も変えた。「いつも新しいことを取り入れ、クリエーティブでいようとするのが僕ららしさだから」と安藤は言う。「有名な『あの曲』みたいなものを、と求められるのも分かるんですが……」
フジテレビ系「F1グランプリ」で一昨年までテーマ曲だった「TRUTH」のことだ。疾走感あふれるドラマチックな曲に、今もライブで一番盛り上がるという。
「正直、飽きた時期もあった。でも今はこういう曲を持てたことを幸せにも思う」と安藤。伊東は「自分たちが乗っていないとやれない。お客さんの力を借り、ある種の勢いでやれた時、やっぱりこの曲はすごいや、と思う瞬間が何度もあるんです」。
ツアーは残すところ、28日に福岡のゼップ福岡、7月5日に東京・水道橋のJCBホールのみ。問い合わせは、キョードー東京(03・3498・9999)。