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ベテラン歌手、新曲次々 NHK「ラジオ深夜便」発

2008年7月29日

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写真里見浩太朗写真伊東ゆかり写真チェリッシュ

 藤田まこと「夜のララバイ」、伊東ゆかり「夏にさようなら」、小林旭「折紙人生」、チェリッシュ「約束は心の中に」。懐かしいような珍しいような、ベテラン歌手の新曲が相次いでいる。共通点は、50〜70代に人気のNHKラジオ番組「ラジオ深夜便」で放送されたこと。中高年リスナーを意識した「大人の歌謡曲」は音楽シーンで居場所を確保できるだろうか。(井上秀樹)

     ◇

 これらの曲は「深夜便」で06年4月に始まったミニコーナー「深夜便のうた」で毎日流していた。3カ月ごとに2曲選ばれ、午前0時台と午前3時台の終わりに1曲ずつ、1週交代でかける。これまで計20曲が放送されてきた。

 90年開始の「深夜便」は、中高年層が青春時代に聴いていた曲を中心に流している。となると、選曲が50〜70年代のナツメロばかりになり、同じ曲を何度もかけることが増えてくる。マンネリ化はここ数年、局内からもリスナーからも指摘されていた。

 ちょうど、番組の月刊誌を作っている編集者から「深夜便で『みんなのうた』のようなコーナーをできないか」という話があり、「中高年向けに歌を作ってもらおう」というアイデアが浮かんだ。

 曲作りはNHKスタッフと歌手のレコード会社、歌手が打ち合わせを重ね、イメージや内容を固める。コンセプトは「大人が口ずさめる歌謡曲」。NHKラジオセンターの渡辺幹雄チーフ・ディレクターは「レコード会社の作る歌はJポップかド演歌。両極端で、大人が聴く歌が抜け落ちている」という。

 いしだあゆみ「オアシス」や倍賞千恵子「冬の旅」など、歌手の選択にも意外性がある。「知名度も歌唱力もあるが、歌手としての色が付いていないし、ベテランなので人生の味わいがある」

 毎晩流れた曲のなかには、リスナーの反響が大きくシングル発売される曲も出てきた。逆にレコード会社や歌手から「深夜便でかけて」と提案されることも増えてきた。

 4月に発売された里見浩太朗の「マイ・ラブ・アゲイン」は3万枚を超え、演歌・歌謡曲としては上々のヒットだ。結婚30年の夫が妻に感謝するという内容。日本クラウンの担当者は「タイトル、詩、メロディー、里見の声。すべてに団塊世代向けという統一感があった」と話す。藤田やチェリッシュの曲を発売するテイチクの担当者も「派手さはないが、深夜帯の割には売れている」と手応えを語る。

 「うた」では7月から、あみんと竹内まりやの曲を流し始めた。渡辺さんは「午前0時台までのリスナーには40、50代も多い。現役で働く世代に聴いてもらいたい」と「高齢者向け番組」のイメージから幅を広げようとしている。

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