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小林幸子、芸能生活45周年「私の魔法、お送りします」

2008年9月11日

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 芸能生活45周年を迎えた歌手、小林幸子が主演する舞台「魔術の女王 天勝物語」(金子良次作・演出)が10月4日から、東京・浜町の明治座で上演される。記念イベントの総括と位置づけ、舞台と歌謡ショー「’08華麗なる幸子の世界」の2部構成。小林は「節目の公演を通じて、私の魔法をお送りします」と話す。(米原範彦)

 明治から昭和期にかけて活躍した伝説の女性奇術師・松旭斎天勝(しょうきょくさいてんかつ)。その流し目、官能的衣装や演出は殿方の心をわしづかみに。欧米でも話題を呼んだといわれる。舞台は、不幸にめげず、芸の花を咲かせた天勝の人生をなぞる。

 「天勝はレビューやイリュージョンの先駆者。華麗さと見世物(みせもの)性があって『見せる』ことで成り立つ人ですね」

 小林といえば、NHK紅白歌合戦で定番となった、ぎんぎらぎんの衣装。ど派手さなら負けないのでは?

 「見せる要素は私にとっても不可欠。天勝の実人生は楽しいけど、女性としては悲しい。芸が自分を守るという点では似ています。冗談交じりで言えば、天勝は『明治の小林幸子』かも」

 10歳で歌手の道に入り、ひたすら働いてきた。79年のヒット曲「おもいで酒」までは苦しい日々。「当時、売れないという言葉になれていた」。レコード店前でのキャンペーンで歌の最中に集まった人々は販売を始めると、さーっと姿を消した。そこら中に捨てられた歌詞カードを拾った。「まるで自分の分身が捨てられるようでつらかった」。この場面は94年上映、自ら出演した映画「男はつらいよ」で再現されている。

 「『おもいで酒』で、今までの『集まって下さい』が『押さないで下さい』に変わった」という。

 昨今、いったん人気が低迷した歌手らが喜劇的存在として復活を遂げるケースが見られる。しかし、小林は79年以降、歌、舞台などでコンスタントに活動している。シングルは80曲以上に上る。

 それは生来、喜劇役者の要素を持っているから、と見た。演歌歌手なのにテレビのバラエティー番組への出演依頼が比較的多いのも、その表れか。この30年間、座右の銘も「○○でなければならない」→「真剣になれ、深刻になるな」→「いい塩梅(あんばい)で」へと変わった。「おもいで酒」の歌い出しではないけれど、「無理して飲んじゃいけない」のだろう。

 「高尚になると、どこか間違えるでしょう。下品ではなく、下世話にかぶくが原点で、同時に一生のテーマです」。見上げた芸人魂じゃないか。

 女子十二楽坊と共演の新曲「楼蘭」、ヒット曲などを集めたアルバム「絆(きずな)」も発表。「天勝物語」は10月29日まで。若林豪、松山政路らも出演。ナレーションは倍賞千恵子。1万2千円、5千円。電話03・3660・3900(劇場)。

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