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テクノユニット・電気グルーヴ 「自由に誤解してほしい」

2008年11月7日

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写真電気グルーヴ=遠崎智宏撮影

 近頃テクノといえば、人気はPerfumeなのだろうが、日本のテクノシーンをリードしてきた、今年厄年のこの2人も負けてない。

 「あれは歌謡曲にテクノのテイストが入った感じかな。うちらはピコピコしてないし、そもそも大きな誤解がある」と石野卓球。「こっちももっと売れてもいいのに」とピエール瀧。

 ブンブンうなる低音と電子サウンド、シュールな歌詞でダンスフロアを揺らしてきた。結成から来年で20年。いずれにしても電子サウンドが市民権を得るのはいいことだと思っている。

 「『シンセサイザーは冷たい』なんて、まるで写真を撮られると魂抜かれるみたいなこと言われなくなったし」

 今春8年ぶりのアルバム「J―POP」を出し、わずか半年後にさらにアルバム「YELLOW」を発表。意表を突く感じは、何とも電グルらしい。

 01年に活動休止し、04年にライブは復活。が、休止前のアルバム作りがトラウマになっていたという。制作過程でメンバーが脱退。自分たちの音楽の方向性を考えながら、行き先の見えない録音作業が続き、精も根も尽き果てた。

 「夏休みの宿題みたいにいつかやんなきゃと」(石野)。「レコード会社の口調もだんだんきつくなってきたし」(瀧)

 そうして作ったのが、春の「J―POP」。一度かかったエンジンを止めないように、そのまま制作になだれ込んだのが最新作「YELLOW」。地続きの2作だが、宿題を済ませた後の「YELLOW」は、「ふざけて作れた」と力の抜け加減を表現した。しかし2人の印象は、かつてよりおふざけ感が薄まった気が。

 「昔みたいに頑張らずに、素直にふざけられるようになったんですよ」(石野)。「今は理路整然、自覚的にふざけられる感じ」(瀧)

 まじめにふざけなさい――。何だか2人が敬愛する故・赤塚不二夫さんの言葉に重なる。今年2人は「バカボンのパパ」と同い年。「これでいいのだ」と泰然自若な感じすらする。

 石野は言う。「自分たちの本質を分かってもらおうなんて思わない。誤解がその人の正解ってこともある。僕らの音楽を聴く時だって同じ、自由に」

 誤解でもいいのだ。

 (文・西正之、写真・遠崎智宏)

     ◇

 89年結成。石野卓球=写真右=とピエール瀧=同左=はともに67年静岡県生まれ。97年に発表したシングル「Shangri−La」が大ヒット。石野は99年から国内最大のテクノイベントWIREの中心人物。瀧はタレントとしても活躍する。8年ぶりの単独ツアー中。

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