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オバマ勝利彩った音楽家 B・スプリングスティーンら相次ぎ支持

2008年11月13日

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写真オバマ氏(中央)の集会に登場したブルース・スプリングスティーン(左)=AP

 米大統領選は、壮大なショーだ。テレビ討論、大観衆を集めた派手な集会、そして著名人たちの応援。8年ぶりの政権交代を目指した民主党オバマ氏の選挙戦を彩ったのは大勢の有名ミュージシャンたちだった。(西正之)

 投票日直前の11月2日、オハイオ州クリーブランドでのオバマ氏の集会に、「ボス」ことブルース・スプリングスティーンが登場した。ボスは聴衆に訴えた。「私の国を、夢を、アメリカを、取り戻したいのだ」

 ボスを筆頭に、大勢のミュージシャンがオバマ氏を後押しした。序盤の党大会にはスティービー・ワンダーが登場。人気ヒップホップアーティストのウィル・アイ・アムは、オバマ氏の決めぜりふ「Yes We Can」をメロディーに乗せた映像を作製。ネットを通じて若者に浸透させた。

 伝説のバンド、グレートフル・デッドは、支援コンサートのために再結成した。リーダーのジェリー・ガルシアはもうこの世にいない。「われわれが立ち上がるのは、オバマを信頼しているからだ。こんなことはかつてなかった」。AP電はメンバーのそんな決意を伝えた。

 一方の共和党マケイン陣営は散々だ。集会で勝手に曲を使われた、とジョン・メレンキャンプが抗議。オバマ氏を揶揄(やゆ)するCMでジャクソン・ブラウンのヒット曲「孤独なランナー」を流すと、今度は熱心な民主党支持者ブラウンの怒りを買った。ブラウンはマケイン陣営を提訴した。

 ロックやヒップホップ音楽の根っこは反権力だ。時に激しい言葉で、国や権威に刃向かう。対して、保守派の共和党は歌詞や映像などの表現には厳しい。従ってミュージシャンやハリウッドの映画人の多くは代々リベラルな民主党支持だ。ただ、ブッシュ大統領が大勝した前回04年の結果が示すように、エンターテインメント業界の支持は選挙結果に直結しない。

 それでも今回は特別だったようだ。シアトル在住のフリージャーナリスト、岩下慶一さんは「04年は、米国民にまだ9・11事件への怒りが根強く、ブッシュ政権への評価に迷いがあった」と話す。が、戦争は泥沼化し、景気も悪化。「もう共和党にはうんざりという空気に覆われた。そこに現れたのがオバマ」

 当初、民主党の大統領選予備選はヒラリー・クリントン氏の独走で始まった。が、06年にオバマ氏が大統領候補として取りざたされ、初のアフリカ系大統領誕生に現実味が出始めてから、黒人・白人を問わずミュージシャンらの支持表明が始まり、運動にもはずみがついた。

 米国でウッドストック・フェスティバルが開かれたのは、ベトナム戦争の厭戦(えんせん)ムードが広がる中でだった。スライ・ストーンやジミ・ヘンドリックスも登場したステージは、黒人/白人音楽の垣根が崩れ始めるエポックでもあった。今回の大統領選は、約40年を経た、壮大なウッドストックであったのかもしれない。

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