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ジャクソン・ブラウン6年ぶり新作 「始まり」信じたい

2008年12月5日

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写真6年ぶりのアルバムを発表したジャクソン・ブラウン

 米国のシンガー・ソングライター、ジャクソン・ブラウンが6年ぶりのオリジナルアルバム「時の征者」(ソニー)をたずさえ、久々に来日した。つい先日60歳になったブラウン。さわやかな海風のようなサウンドと歌声、そして鋭い社会へのまなざしは今も変わらない。(西正之)

 口調は穏やかだが、話し出したら止まらなかった。大統領選のことだ。

 「僕らの力がなくたってオバマは当選したはずさ。でも、投票日前の数日は少しは役に立てたんじゃないかな」

 盟友ブルース・スプリングスティーンとともに民主党を支持し、前回04年から「変革のための一票を」という運動の先頭に立ってきた。選挙中、こともあろうにオバマ氏をやゆするCMにヒット曲「孤独なランナー」が使われ、マケイン陣営を提訴する一幕も。クライマックスの投票日前日はマケイン氏の地元アリゾナ州に乗り込み、オバマ支持を訴えた。しかし、今はこう考えている。

 「彼の敗戦の弁は純粋なものだと認めている。対立の段階は過ぎた。一緒にこれからの米国、世界を考える時だ」

 72年のデビュー以来、ウエストコーストサウンドの代表的シンガーとして名をはせてきた。80年代に入り、反核、環境保護などの市民活動に傾斜。心地よいサウンドとは対照的に、歌詞は米国や世界の病巣をえぐり、聞き手に問いを投げかけ続けた。

 新作にもその問題意識は貫かれている。特にこの8年間の失策には怒りを見せる。イラク戦争を歌った「ザ・ドラムス・オブ・ウォー」では、「嘘(うそ)をついて、爆撃し、あれは間違いだったと言うのは誰?」。05年夏のハリケーン「カトリーナ」の悲劇をテーマにした「ウェア・ワー・ユー」では、「大統領専用機から、彼は廃虚を眺める」と歌う(訳はライナーノートから)。

 ただ、個々の問題よりも、今の彼の思いは、タイトル曲「時の征者」にあるのかもしれない。

 「時は傷を癒やすけれど、人を置き去りにすることもある。短い人生でどんな世界を信じたいのか。世界は始まるのか、終わるのか。どうせなら終わりより始まりを信じたい。政治的なことであれ、恋愛のような個人的なことであってもね」

 「詩人」としての評価も高いブラウン。

 「誰もが歌詞を聞いているわけではない。ただ、問題意識を突き詰められるだけの言葉は用意しているということ。音楽とはサウンズ・グッド。まずは聞いた感じがよければそれでいいんだ」

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