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ヘンデル「メサイア」初稿版、全曲上演 20日、東京

2009年4月9日

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写真三澤寿喜写真松村萌子写真辻裕久

 今年が没後250年となるヘンデルの作品の体系的な紹介をめざすヘンデル・フェスティバル・ジャパン(HFJ)が、初稿版による「メサイア」の全曲演奏を20日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで行う。「メサイア」上演は改訂版が主流で、初稿版を用いるのは極めて珍しい。

 ヘンデルは聖書や祈祷(きとう)書からジェネンズが選んだ歌詞に基づいて1741年、「メサイア」を作曲した。翌年、ダブリンで初演し、その後もコベントガーデン王立劇場や孤児養育院などで再演しているが、いずれも改訂版を用いており、作曲当初の形(初稿版)では演奏していない。

 多くの改訂版と違って初稿版は、ソプラノやバスなどのアリアが長大で、演奏時間も長い。オーボエやファゴットを使っていないため響きがシンプルで、その分、合唱の響きが強調されている。

 ヘンデル研究家で企画に当たった三澤寿喜・HFJ実行委員長は「現実主義者のヘンデルは、上演場所や歌手の実力、陣容に合わせて作品を改訂している。初稿版はこうした現実的な制約を離れ、彼の頭の中の理想の響きを描いたものではないか」と話す。

 「メサイア」作曲の当時、ヘンデルはオペラの作曲に終止符を打ち、オラトリオに活路を見いだそうとした。「1743年に『サムソン』の成功で勇気づけられ、彼はオラトリオに傾いていく。それ以前にスランプ脱出を狙った試みが『メサイア』であり、その原点である初稿版に立ち返ればヘンデルの新しい姿が見えてくるはずだ」と三澤委員長。

 演奏は三澤指揮のキャノンズ・コンサート室内合唱団&管弦楽団。ソリストは松村萌子(ソプラノ)、波多野睦美(アルト)、辻裕久(テノール)、牧野正人(バス)。

    ◇

 午後6時半開演。一般6500円と5500円。学生3000円。電話03・5216・7131(アレグロミュージック)。(上坂樹)

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