現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. 音楽
  5. 記事

ピアニスト・菊地裕介 海外で培った実験精神試す

2009年6月1日

写真

 バッハの無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番。ブゾーニがピアノ用に編曲した名編「シャコンヌ」以外の4曲も編曲し、全曲を録音したCD「B―A―C―H」(DENON)を出したばかり。

 無謀な試みか、果敢なる挑戦か。「ブゾーニ編だけ弾いても、作品のトータルな構成感が見えてこない。演奏家が作曲しなくなって久しいけれど、編曲という形でクリエーティブな姿勢を示したかった」

 これに先立つCD「イマージュ・フランセーズ」(同)でも、ラベル「ラ・ヴァルス」の2台ピアノ版を自身で多重録音してみせ、もう一人の自分とアンサンブルを作り上げる仮想現実と向き合った。

 「録音を重ねていくうちに、こいつとなら共演したいなと思えるもう一人の自分が見えてくる。幽体離脱のような不思議な感覚です」

 7歳からピアノを始めた。音楽教室では授業中にキャスター付きのいすで走り回ってよく怒られた。「テレビも見ず、流行も追わない。自分に自信があったせいか集団が嫌いで、典型的なKY症候群だった」

 自己主張の強い性格は高校卒業後に留学したパリ国立高等音楽院が肌に合い、和声、20世紀音楽なども貪欲(どんよく)に吸収した。ドイツでも学び、数々の国際コンクールで入賞。2年前に帰国し、海外で培った実験精神をフル回転させようと意気込む。

 「今、バッハに続く第3弾の試みを模索中。いつもはらはらドキドキの存在でいたいから」(上坂樹)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内