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豪の民族楽器「ディジュリドゥ」 北海道でも

2009年6月18日

写真庭でエゾニュウ製のディジュリドゥを吹く荒井=中井征勝氏撮影

 東京の老舗(しにせ)ライブハウスのオーナーでオーストラリアの民族楽器ディジュリドゥの演奏家でもある荒井ABO(アボ)誠が北海道に移住して2年。アイヌ民族が楽器にしていたという野草がディジュリドゥにも向いていることを発見し、北の大地での楽器作りに意欲を燃やしている。

 荒井は世界を放浪した後で東京・高円寺にライブハウス「ジロキチ」を開いた。今年で開店35周年。山下洋輔、村上ポンタ秀一、坂田明、渋谷毅ら、そうそうたるミュージシャンたちの拠点となってきた。

 だが、荒井の放浪の心は治まらず、07年に北海道の当別町に家族と移住。豊かな自然に囲まれて暮らす。「東京ではずっと地下にこもっていたから、やっと人間らしい生活ができた」

 エゾニュウは近くの山で見つけた。セリ科の植物で立ち枯れた茎は硬く、中は空洞だ。直径は10センチ近く、長さは2メートル以上。アイヌ民族も「ヘニュード」と呼ぶ楽器にしていたらしい。

 荒井は若いころ訪れたオーストラリアで先住民アボリジニーの楽器ディジュリドゥに魅せられた。シロアリに食われて空洞になったユーカリの木を使うことから、「エゾニュウでも作れるのでは」。さっそく試作すると、倍音も豊かに出て、十分使えるとわかった。

 「長い放浪の末にたどり着いた北の大地で材料まで見つかった。深い縁を感じる。ディジュリドゥは通奏低音でリズムを刻む楽器。お母さんのようなこの大地に似合うと思う」。野外ライブなどで北海道産ディジュリドゥを披露する日も近い。(篠崎弘)

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