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熱さ今も 60歳の再始動 28年ぶりに全国ツアーをする アリス

2009年7月24日

写真アリス=鈴木好之撮影

 70年代から80年代初めにかけてフォーク〜ニューミュージックの季節を駆け抜けた3人が、帰ってきた。日本人として初めてだった3日間の日本武道館ライブ、アジアツアー、そして無期限の活動停止宣言――。後進のミュージシャン、バンドにとっては先駆者的な存在だ。

 その後の谷村新司、堀内孝雄のソロとしての活躍はご存じの通り。「活動停止中もアリスは、いつも頭の片隅にあった。帰るふるさとがあるという安心感があった」と谷村は言う。

 再始動した今年は、3人にとって60歳の節目。「アリスってエネルギーの固まり。70歳だとどうかなと考えるとやっぱり今でしょう」と堀内はこのタイミングでの再始動の理由を語る。

 初めて3人で選曲をしたベスト盤「ALICE 30 SONGS」(EMI)を22日に出した。「チャンピオン」「狂った果実」「冬の稲妻」――。疾走する熱いリズムと圧倒的な歌声に乗った言葉の力強いこと。20代から30代の初めに書かれた作品だ。

 「特に谷村は年寄りみたいなことを書いていたね」と矢沢透。「本当老けてましたね」と堀内がたたみかける。当の谷村は「僕は、50歳になったアリスを意識して書いていたんだ」。

 その50歳を大きく超え、若かりし日々を思わせるような、熱い夏を迎えようとしている。28年ぶりの全国ツアー。24日の北海道を皮切りに、11月の日本武道館まで40本に及ぶ。

 ソロ活動でツアーをしてきた谷村、堀内はともかく、久々の矢沢に不安はないだろうか。「2人と違って僕はすごく忙しいところで辞めているから、スケジュールを見ても、昔と同じだなって。違和感ないんですよ」と意外にも余裕綽々(しゃくしゃく)。谷村がすかさず突っ込んだ。「9月の半ばにでも、またインタビューしてください。微妙に口数減ってるはずだから」

 今月20日、3人の原点という東京の神田共立講堂で、ツアー前夜祭を開いた。トークを交え、13曲を3人だけで熱演。2千人のファンを沸かせた。谷村が呼びかけた。「僕らだけが年を重ねたつもりでいたけれど、みんなも結構きてるね!」

 ツアーテーマは「閉塞(へいそく)感をぶっ飛ばせ!」と勇ましい。が、実のところは「思いやりといたわりあい」で行くそうだ。

(文・西正之 写真・鈴木好之)

    ◇

 後列から時計回りに、谷村新司(チンペイ)、堀内孝雄(ベーヤン)、矢沢透(キンちゃん)。72年「走っておいで恋人よ」でデビュー。81年11月に活動停止後、00年、05年のNHK紅白歌合戦などで再結成している。

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