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即位奉祝曲なぜEXILE 決め手は「平成」感?

2009年11月10日

写真奉祝曲を歌う意欲を語るEXILEのリーダーHIROさん(左)=10月13日、都内写真EXILEの14人

 天皇陛下の即位20年を祝う民間の式典で、人気音楽グループEXILE(エグザイル)が奉祝曲を歌う。伝統を重んじる厳粛なイメージが強い皇室関連行事に、テレビではサングラスや長髪といった姿のグループ、という取り合わせ。主催する奉祝委員会によると、「1人でも多くの人に祝ってもらうため、幅広く支持されているアーティストを」との選考基準で選ばれたという。

 今回の奉祝曲は「川の流れのように」などで知られる秋元康さんが作詞し、映画「レッドクリフ」の音楽を手がけた岩代太郎さんが作曲した。EXILEが12日、皇居前広場のステージで披露する。

 日本経団連や日本会議などで作る奉祝委員会の事務局によると、歌のコンセプトは「文化的価値のあるもの」「長く歌い継がれていくもの」「幅広い世代に支持されるもの」の3点。これにふさわしい歌手として数組が候補に挙がり、秋元さんらの推薦でEXILEに決まった。「昨年のレコード大賞を受賞したこと」も大きかったという。

 10月13日の記者会見では、EXILEのメンバーはサングラスを外したスーツ姿で緊張のためか硬い表情。「このような話をいただいて光栄です。しっかり務めさせていただきたい」(リーダーのHIROさん)と意気込みを語った。歌の中身やステージの概要は明らかにされていない。

 皇室に詳しい静岡福祉大の小田部雄次教授(日本近現代史)は「戦前の奉祝曲と言えば、厳粛なものが多かったと聞くので、興味深い」。10年前の奉祝曲を作ったのもX JAPANのYOSHIKIさん。「開かれた皇室を示すためにも、国民になるべく親しみやすいものを作ろうとしているのではないか」と、小田部教授は考える。

 「この20年の日本の音楽の主流はJ―POP。邦楽の代表として横綱を呼んできたという印象だ」と語るのは、音楽評論家の富澤一誠さん。レコード大賞を受賞したばかりという点で「ほかの歌手と比べて現役感がある」とみる。

 ポップス界にはサザンオールスターズや松任谷由実さんら大御所がいる。が、評論家の坪内祐三さんは「昭和の時代に出てきた歌手で『平成』感がない。EXILEにはそれがある」と指摘する。

 YOSHIKIさんが奉祝曲をピアノ演奏した時は、東大教授らが公開質問状を出し「ロックミュージシャンであるあなたの精神と生き方への裏切りになるのでは」と問いかけた。今回はそうした動きは少ない。坪内さんは「以前よりも天皇制への関心が薄くなっている。昭和の時代と比べて、天皇陛下の前で歌うことが思想的な意味を持たなくなった」とみている。(河野正樹)

     ◇

 ■EXILE 14人組のボーカルとダンスのグループ。基本的にATSUSHIとTAKAHIROの2人で歌い、残りのメンバーがダンスを担当。08年に「Ti Amo」でレコード大賞を受賞した。メンバーの真木大輔さんはNHKの連続テレビドラマ「瞳」に出演した。

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