現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. 音楽
  5. 記事

森繁節、歌声にも 足跡を物語るCD、再び脚光

2009年12月10日

 11月に世を去った国民的俳優、森繁久弥は、歌手としても多くの名曲、名唱をのこした。その足跡を物語るCDが改めて注目されている。

 07年にコロムビアから出した「森繁久弥大全集」は40曲を収めた2枚組み。

 代表曲の「しれとこ旅情」をはじめ、映画主題歌としてリバイバルヒットさせた「船頭小唄」、陽気な「フラメンコかっぽれ」など多彩な歌で昭和の空気をよみがえらせる。

 童謡「どじょっこふなっこ」から与謝野鉄幹作詞の「妻をめとらば」、旧制高校寮歌の「嗚呼(ああ)玉杯(ぎょくはい)に花うけて」に至るまで、一貫した人情味はまさに森繁節だ。

 92年に長野県松本市で行った最後のコンサートを収録した「何処(どこ)へ 森繁久弥ラストコンサート」は、ポニーキャニオンから今年10月に出た。

 表題曲は、90年に先だった妻への思いも込められているという。

 「そっちでも風は吹いているかい?/順不同なんだねぇ この世のことは/私はもう少しここにいるつもりだ」

 そんな語りを交えた歌は、「歌うように語り、語るように歌う」を旨とした森繁らしさにあふれている。(藤崎昭子)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内