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フラメンコ、ピアノで新風 15日リサイタル ダビ・ペーニャ・ドランテ

2010年1月11日

写真拡大「来るたびに日本が好きになる。何か、近い精神を感じる」と語るドランテ=吉田写す

 ギターにカスタネット、踊りといった印象が強いフラメンコに、ピアノで新風を吹かせるダビ・ペーニャ・ドランテが15日、東京でソロリサイタルを開く。「ソロでこそ聴衆に、フラメンコのむき出しの魂に出あってもらえるはず」と語る。

 ジャズやクラシック、民族音楽を自在に吸い寄せる。そもそもフラメンコの世界に住むピアニスト自体が珍しい。

 一昨年はギタリストのトマティートと来日、新日本フィルハーモニー交響楽団と舞台に立った。今回はリサイタルのほか、小松原庸子スペイン舞踊団公演で、和太鼓の林英哲と共演する。

 両親をはじめ、一族のほとんどがフラメンコの演奏家やダンサーだ。自宅でパーティーが開かれるたびに、踊り、歌い、ギターを奏でたが、なぜか心に一番しっくりきたのがピアノだった。

 名門の音楽院に進んだ。しかしある試験で、思わずバッハをフラメンコ調のアクセントで力強く刻んでしまった。教官にひどくしかられたが、同時に「私はこれでいいのかも」との直感も得た。

 「スペイン語と同じで、自分にとっての言葉はショパンを弾いていてもジャズを弾いていてもフラメンコ。自分の中には、どうしようもなくフラメンコの血が流れている。そう思い知らされた」

 音楽院時代にはストラビンスキーやバルトークをよく弾いた。影響を受けた演奏家はグールド、ジャレット、コルトレーン、コリア。いずれもジャンルの枠を超え、己の表現を開花させた人々だ。

 「偉大な芸術家は、無意識のうちに多様な文化に立ち向かい、それらを融合していく」と感じている。しかし、異なるジャンルを意図的に融合させようとは思わない。新たな表現領域へ踏み出すたびに、これまで出あってきた音楽が、おのずと導かれてくるのが理想だ。

 「自らの『根』を大切にするところからしか本当の融合は生まれない。音楽は水の流れのようなもの。ひとつ所にとどまると腐ってしまう。常に様々な場所を流れてこそ新鮮さを保つことができる」

 放浪の民の日常を彩り、発展したフラメンコ。それ自体があらゆる文化に開かれている、とも。「多彩な文化を受け入れることで人々とつながっていく。これがフラメンコの精神。そんな芸術の領域に向き合うため、私はピアノというグローバルな楽器でフラメンコを伝える道を選んだのかもしれない」

 リサイタルは午後7時、東京・錦糸町のすみだトリフォニーホール。3千円。電話03・5608・1212(ホール)。(吉田純子)

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