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古楽指揮者、ホグウッド来日 ヘンデルの本領示す

2010年2月13日

写真拡大「ヘンデルは人間的でユーモアたっぷり。本領を聴かせたい」と語るホグウッド=吉田写す

 古楽界を長く先導してきた指揮者のクリストファー・ホグウッドが、ヘンデル没後250年を記念した「ヘンデル・フェスティバル・ジャパン」の招きで来日した。ヘンデルの知られざるオラトリオを13日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで上演する。「ヘンデルは『メサイア』だけじゃない。隠れた本領を示したい」と語る。

 1941年、英国生まれ。古楽奏者として先鋭的な活躍をした故デビッド・マンロウのハープシコード伴奏で名を知られ、73年には古楽合奏団「エンシェント室内管弦楽団」を結成。モーツァルトの交響曲全曲演奏など、多くの歴史的録音で日本でもブームとなった。

 そんなホグウッドがこのところ精力を傾けているのがヘンデルだ。音楽学者として楽譜校訂や著作も手がける。

 「ソロに強い個性を与えるヘンデルの才能は、合唱の多い『メサイア』ではわからない。人間臭さ、冒険精神にも気づいてもらいたい」。そう考えて選んだのが今回の「陽気の人、ふさぎの人」だ。

 歌詞は「失楽園」で知られるジョン・ミルトンの詩。この世での快楽を求める「陽気」と内省的な「ふさぎ」。この対照的なキャラクターの哲学問答を通じ、生きることの意味を解きほぐしてゆく。

 もとは「中庸の人」という曲が後に続いていた。しかし、ヘンデル自身が「ミルトンの詩の世界観に合わない」として別の合唱作品「聖セシリアの祝日のためのオード」と入れ替えたとされる。今回は、このバージョンでの日本初演だ。常に聴衆を強く意識し続けたヘンデルの、思索のあとを垣間見ることができる。

 「オード」の方は、音楽そのものを無条件に賛美する内容。「フルートやバイオリンなど各楽器にしっかり個性を与えている。芸術家としてのヘンデルの理想と本音を垣間見ることができる」

 日本でのリハーサルは、ワークショップのような雰囲気で進めている。「古楽では奏者それぞれが自立して表現することが大切。解釈は常に動くもの。ヘンデルの奥深い人間像をみんなで探りたい」

 午後3時。独唱は佐竹由美、波多野睦美、辻裕久、牧野正人。演奏はキャノンズ・コンサート室内合唱団&管弦楽団。1万円。電話03・5216・7131(アレグロミュージック)。

 14日午後1時には昭和音楽大学ユリホールで「音楽を読み解く――作品解釈の過去と現在」と題して講演する。無料。(吉田純子)

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