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「CD買おうぜ」 ネットに対抗、若手音楽家ら呼びかけ

2010年3月14日

写真「BUYCDs」と書かれた幕のかかったステージで、レゲエシンガーのリッキーGさん(中央)らが歌った=東京・恵比寿写真秦拓也さん図拡大  

 音楽CDが売れない。インターネットで配信される曲をダウンロードする方式に押され、生産はこの10年でほぼ半減した。そんな中、若いミュージシャンらが「CDを買おう」と呼びかけ始めた。「ジャケットのデザインも、曲の並び順も作品の一部」と訴える。名づけて「BUYCDs(CD買おうぜ)」。

 運動を始めたのは、東京都世田谷区在住の秦拓也さん(34)。服飾メーカーで働きながら、プロのキーボード奏者としても活動している。

 青春は、レコードやCDとともにあった。輸入レコード店の並ぶ東京・渋谷に通ってはジャズやソウルの名盤を買いあさった。20歳から独学でピアノを学び、仲間とバンドを始めた。大学卒業後は就職せずにプロを目指した。

 ここ数年、CDを取り巻く状況は劇的に変わった。音楽をダウンロードする方式が普及。レコード会社の経営は悪化した。

 秦さん自身、様々な楽曲を集めてCDを制作する仕事を請け負って半年ほど打ち込んだが、会社の倒産で企画は立ち消えになった。

 「音楽を形の無いデータでやり取りするだけなんて、あまりに味気ない」。CDの購買を呼びかけようと思い立った。手近にあったのが、勤め先で扱っているTシャツ。思いを込めて「BUYCDs」と胸に大きくプリントした。

 昨年1月に販売を始め、同年末までに約400枚が売れた。ロックバンド「筋肉少女帯」のボーカリストで作家の大槻ケンヂさん、元「LUNA SEA」のドラマー真矢さんらも賛同し、イベントを開いた。

 大手CD店などから「運動に協力する」と打診もあるが、今のところ断っている。「大企業の販売促進にしてしまっては、多くの人に届かない。制作者が草の根で活動することに意味があるはずだ」と考えるからだ。

 今後も、夏の野外フェスなどのイベントを通じて、地道に運動を広げたいという。

     ◇

 日本レコード協会の統計によると、CDの生産額は1999年に5512億円だったが、2008年には、2912億円まで落ち込んだ。一方、有料音楽配信の売り上げは、05年には342億円だったが、08年には905億円と急速に市場が拡大。CDを出さず、配信のみで曲を発表する例も増えている。(小島寛明)

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