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デビュー25年、佐藤しのぶコンサート

2010年3月21日

写真佐藤しのぶさん

■「すべて賭けベルディに挑む」

 ソプラノ歌手の佐藤しのぶがデビュー25年の節目に、ベルディのアリアばかりを集めたコンサートを開く。「簡単に触れてはいけない宝物だと思ってきた。今の自分のすべてをかけて挑みたい」と語る。

 幅広い層のファンに支えられてきた。紅白歌合戦にも出場、人気を不動のものとする一方で「歌だけに集中したい」という悩みも抱えることになった。

 歌手としての成熟を最優先に生きよう――。そんな初心を支えたのがかつてのミラノ留学の日々だった。石造りの教会にオペラ劇場。「街並みそのものが芸術。西洋文化の厚みに圧倒され、人生は短いと思い知った」

 音楽に対しては「自分でもあきれるほどマジメ一徹。納得するまで前に進めない」という。

 その性分は、高校の時にすでに芽生えていた。休憩時間が来るたび、図書館のオーディオ室で「椿姫」に全神経を集中させた。音の向こうからマリア・カラスの立ち姿やしぐさが浮かびあがるような気がして、うっかり授業に遅れたこともある。

 今回の公演では、精神性のかたまりのようなベルディに真正面から向き合う。

 「同じように神と対峙(たいじ)しながらも、人生賛歌へ至ったモーツァルトとは対照的に、ベルディはあらがいようのない運命に対する諦念(ていねん)へとたどりついた。そのスケール感に人生そのものを突きつけられる気がする」

 指揮は夫の現田茂夫。28日午後2時、東京オペラシティ。31日午後7時、札幌コンサートホールKitara。電話03・5237・7711(ジャパン・アーツぴあ)。(吉田純子)

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