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「ロマンチックな気分を再び」森山良子、透明な歌声健在

2010年4月9日

拡大昨年のライブで歌う森山良子

 森山良子が「ロマンティックな衝動」と題するコンサートで全国をツアー中だ。数々のヒット曲を通して、「熟年世代にも、ロマンチックな気分をよみがえらせてほしい」と語る。

 デビュー曲の「この広い野原いっぱい」から、各地のアマチュア女性コーラスと一緒に歌う「家族写真」、そして「さとうきび畑」「涙そうそう」まで、ヒット曲の多さでキャリアの長さを見せつけるコンサートだが、合間のおしゃべりでは1歳の孫の話などもはさむ。一緒に年齢を重ねてきたファンの共感を誘う構成だ。

 「歌手としてはクールでいたいという気持ちもあるし、一方では同じ生活をしているんだという親近感も持ってほしい。『親しみを覚えました』なんて感想を聞くと、すごくうれしいんです」

 透明感のある歌声は、還暦を越した今も健在だ。中学2年生の時から同じボーカル・トレーナーについている。「先生は70歳を過ぎた今も勉強を続けていらっしゃって、毎回新しい練習方法を教えて下さる。そのたびにまだ発展できるって確認できるんです」

 聴衆の反響が多いのが、04年に発表した「30年を2時間半で…」だ。かつての恋人と30年ぶりに再会した中年男女のときめきをセリフ入りのドラマ仕立てで歌う。次のアルバムに入れる予定の曲は「Ale Ale Ale」。「ほら、あれよ、あれ」という、ど忘れをコミカルに歌い、同世代の笑いを誘う。

 「家庭がむつまじくて、そこから社会が始まる。家の中での心の通い合いが一番最初。この年になってやっと家族の大切さがわかってきました。支える家族がいたから外で頑張ってこられたんだ。それを素直に感謝できる年代になったんでしょうね」

 ツアーは10日午後6時、11日午後4時、東京・渋谷のオーチャードホールほか、各地巡演の予定。問い合わせは、03・3225・8585(エンジェルソング)。(篠崎弘)

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