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ショパンづくし ツィメルマンが企画公演

2010年5月27日

 ポーランド出身のピアニスト、クリスチャン・ツィメルマンが来日し、祖国の作曲家ショパンの生誕200年を祝って全曲ショパンでそろえたリサイタルを開いている。10代から弾いてきた曲と再び向き合い、「昔から抱いていたショパンへの敬意がますます大きくなっている」と語る。来年は一切のコンサート活動を休止することも明かした。

 「記念すべき年には最も価値ある作品を弾きたい」と、リサイタルの目玉にはピアノソナタの2番「葬送」と3番を選んだ。

 「マズルカも考えたが、大きなホールには向かない。多くのロマン派の作曲家が大きなスケールの曲を作るのに苦労したが、ショパンはこの二つのソナタで見事に成し遂げた」

 1956年生まれ。18歳の時にショパン国際ピアノコンクールで優勝。現在はスイスのバーゼルに住んでいる。

 父親はバーのピアノ弾きだった。家の前を時折、葬列が通り、その中の楽団が「葬送」を演奏していた。親や教師からショパンの話を繰り返し聞かされて育った。

 「16歳の頃から弾いていたソナタに長い年月をへて戻ってきて、ショパンの偉大さを再発見した。太陽が熱いのは当然だ。でも実際に触ったらホントに熱かった」

 「ショパンの偉大さとは?」と聞くと、「自分の内面を正直に表現する術を見いだそうとして、彼の音楽は一つの『言語』に到達した」と答えた。

 どんな国の人でも、音楽を勉強していない人でも、読み取れて理解できる言語だという。「私たちの外側を覆っている音楽的知識というカバーを外し、その内側にある精神へと、じかに問いかけてくる音楽なんだ」

 来年は公の演奏活動を休止し、長期休暇をとる。「音楽以外の理由があるが、それは話せない。実は、教会やバーでも弾いてみたいんだ。ジャズとか」と話す。

 バーゼル周辺に点在する村々の教会を会場に小さなリサイタルを開くことがある。「今、これが弾きたい」と感じた音楽の魅力を聴衆と共有したいという。

 「大きなコンサートだと、結婚式みたいに計画から本番まで2年もかかる。時間とともに音楽への『恋愛感情』が薄れるのは嫌なんだ」

 リサイタルは6月12日まで、東京・サントリーホール(3、5、10日)など各地で。電話03・5237・7711(ジャパン・アーツぴあ)。(寺下真理加)

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