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「生きることの証し」ライブ音源をCDに フリクション

2010年6月18日

写真:フリクションのレック(左)と中村達也拡大フリクションのレック(左)と中村達也

 フリクションのボーカル、ベースのレックが、ギタリストを探している――。

 そんなうわさを聞いて、ドラマーの中村達也は「聞き捨てならん」と思っていた。2006年のことだ。中村にとってフリクションは、中学生のころから聞きまくっていたあこがれのバンド。すわ、フリクション再始動か。「ほかのドラマーにたたかせるわけにはいかねえ」。そんな自負があった。

 1978年に結成されたフリクションは、東京ロッカーズの中心にいたバンド。レック以外は様々にメンバーを変えて続いてきたが、96年を最後に活動休止。本当に「伝説」になってしまいそうなバンドだった。

 一方のレックが中村を初めて見たのは、テレビの中だった。当時中村は、人気絶頂だったロックトリオ、ブランキー・ジェット・シティのドラマー。

 「明らかに1人だけ違ったもんね。このドラムは、どこか行きたがってる、殻を破りたがっているって思ったよ」

 ギタリストは結局見つけられなかったが、セッションを重ねた2人は急接近する。06年、ベースとドラムズだけのフリクションとして再始動を果たしたときには、たまげた。ベースとドラムズだけなのに少しも退屈しない、カラフルで重いビート。

 多数のエフェクターを駆使し、まずレックがベースの旋律を抽出、自動再生(ループ)させる。その上に、レックが言うところの「偽ギター」、ベースの音を変調した、ギターのような高音のソロをかぶせる。

 「タッチャンはループを聞きながらたたくわけで、今ループさせてソロに入ったって分かると、またぐっと緊張したドラムズになる。ライブの中でいくつも出来事が起きている。しんどいけど、うまくいったときはものすごい気持ちがいい。危機一髪は、見返りが多い」

 そう話すレックは、それこそがライブの意味なのだという。

 「今日を最後に、もう二度と見られない人も中にはいる。だったら何か出来事が起きてた方がいい。生きてるんだからさ、お互いに。ライブって、生きていることの証しでしょ」

 06年から現在に至るまでのライブ音源から選曲した21曲入り2枚組み「2013―ライヴ・フリクション」(P―VINE)が16日、発売された。(文・近藤康太郎 写真・石動弘喜氏)

    ◇

 FRICTION 1978年、ニューヨーク帰りのレック(写真左、ボーカル、ベース)、チコヒゲ(ドラムズ)、ラピス(ギター)で結成。「東京ロッカーズ」と呼ばれるムーブメントの中心に。2006年から中村達也(同右)とのデュオに。

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