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原由子、硬軟自在に30年 ベスト盤「ハラッド」

2010年6月28日

写真:「ちょっと変わった声でよかったと、今なら思える」と語る原由子=福岡亜純撮影拡大「ちょっと変わった声でよかったと、今なら思える」と語る原由子=福岡亜純撮影

 サザンオールスターズのキーボード担当としてだけでなく、ソロアーティストとしても多くのヒット曲を生んできた原由子。サザンの「私はピアノ」で初めてメーンボーカルを務めてから30年になったのを記念し、ベスト盤「ハラッド」を発表した。硬軟自在の歌唱が、音楽家としての懐の深さを再認識させる2枚組みだ。

 歌い出しを聞いただけでそれとわかる独特の声。「ずっとコンプレックスだったけれど、桑田(佳祐)のすすめで思い切って歌ってみたら、いろいろ発見がありまして」

 以来、歌った曲は30年間で70曲以上。昭和歌謡風の新曲「京都物語」では弦楽器のアレンジにも才能を発揮している。「トレンドに合わせず、その時々で自分たちにとって新鮮なものをつくってきた」

 「どれもかわいい曲。なるべく各時代ごとに多く聴かれた曲を選んで泣く泣く30曲にしぼった。1曲ごとに思い出がよみがえり、色々な人に支えられてきたことに胸が熱くなって……。家族がいないのを見計らって家で聴いて、何度も泣きました」

 ほのぼのした曲から、男女のきわどい世界に踏み込んだ曲まで守備範囲は広い。桑田が旧満州から引き揚げた父親から話を聞いてつくったという「流れる雲を追いかけて」や、「唐人お吉」に思いをはせた「唐人(ラシャメン)物語(のうた)」など、時代に翻弄(ほんろう)された人々のドラマも柔らかく受け止める。

 何度となくステージを踏んできたが、いまだに「ライブであがらない」が目標という。「4月に見たキャロル・キングのコンサートがすごくよかった。若くて元気で自然体で。この自然体が私の課題です」

 「子供ももう社会人。堂々と、自分のために時間が使えるようになった。色々な人との出会いを求め、人生を楽しみたい」と話す。

 その人生の柱は、やはり音楽という。「中学、高校とコミュニケーションをとるのがへたで。でも音楽に助けられ、励まされてきた。音楽は一生の友達。サザンの一員としても、いつバンドが再開しても大丈夫なように力を蓄えたい」(藤崎昭子)

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