三輪休雪さんの作品に見入る人たち=パリの三越エトワール、中村俊介撮影
【パリ=中村俊介】斬新なオブジェで知られる陶芸家、十二代三輪休雪さん(68)の個展「陶 愛と死の融合」(朝日新聞社など主催)が10日、パリの三越エトワールで始まった。5月9日まで。
三輪さんは山口県萩市生まれ。茶陶で有名な萩焼の名門の出身ながら、既存の萩焼とは一線を画し、エロスや生と死などをテーマに前衛的な作品を発表している。03年、人間国宝の父壽雪さんから休雪の名を譲り受けた。
同展では、黄金に彩られた重厚な「続・卑弥呼の書」シリーズや、母性を象徴する官能的な「摩利耶」シリーズ、白いうわぐすりをかけて女性の下半身を扱った挑発的な作品群など106点を展示。訪れた人たちは、大胆な造形に驚き、見入っていた。
三輪さんは「やきものは素材や技法だけで語られることが多いが、私は、私という人間を表現したい。愛と死をやきもので実現したい」と話した。
8、9月には帰国記念展が、東京・日本橋三越と福岡三越で開かれる。