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長門さん「一生分のキスをした」 南田洋子さん入院

2009年10月20日

写真:会見する長門裕之さん(右から3人目)=東京都中央区の明治座会見する長門裕之さん(右から3人目)=東京都中央区の明治座

 俳優・南田洋子さんがくも膜下出血で緊急入院したことについて、夫で俳優の長門裕之さんが20日午後8時から、東京都内で会見した。発言と質疑応答は次の通り。

 現状は皆さんに(ファクスで)お伝えした通りですが、一つは重度のくも膜下症。最高に出血が多かった。救急車で入院させて、非常に甘く考えていたが、レントゲンを撮った結果、頭の中に水がたまっていると。おでこに穴を開けて水を取りますと聞いた。それで手術をして先生は最善を尽くしましたと。手術に入る前に、3分の1の確率で命を無くす、3分の1の確率で植物人間化する。3分の1の確率で入院する前の状態になると。その言葉を信じて待っていたが、重度くも膜下症と聞いて「洋子はもう助からないんですか」と、と聞いたら「脳の水を、脳の重圧を下げるために抜くといいでしょう」とのこと。ただし、脳だけじゃなくて心臓にも負担がかかる。これは血圧によるもので、これはドンドン下がりますから。いま生きているのは洋子ではない。機械です。人工呼吸器で自力の呼吸ができない。血圧はドンドンいまも下がっている。それが40台になったり、30台になったり、その上下で動いている。一番きつい血圧を高くするクスリを女房に与えることによって、血圧をそれ以上下げるのを防ぐと。

 ――手術は成功か?

 結果においてこれからどうなるかわからないが、最善を尽くしたと(医者は言った)。植物人間が生きてますんで、それは僕らにとってみると、全く生物ではなく、人間の機能を失ったものでしかない。

 ――元に戻る可能性も。

 手術も終わり、治療は何もしていません。

 ――このまま植物状態が続くのか。

 俺は何かを待っている。生涯で失いたくないものを失う時間を待っているんです。いま動いているのは、人工呼吸器で自発的な呼吸ができない中で、心臓を動かすためにいろんなことを行っているが、現状はどんどん、どんどん、それを待っているのがつらい。ものすごい無情を感じる、そんなバカなことはありえない。

 ――どうしてあげたいか。

 どうにもできない。ただ、一生分のキスをしてやりました。皮膚の感覚、顔の形態をしっかり覚えようと。

 ――心の中で覚悟を。

 それは決めてますが、確率はどうの、将来の見通しはどうのと言われるとそれに頼ってしまう。しかし、ボクには仕事がある。ここで号泣して仕事に傷をつけることはできない。明治座の人、川中美幸さんは俺の目を見て頑張ってくれと。でも、俺の一番大事なものがこんなにあっけなく。17日からまだ3日しかたっていない。俺の大事なものをあっけなくなくしてしまった事実をボクは認識しようと思って希望は持ちません。いま、看護婦さんに聞くと「こんなに心臓がもっていらっしゃる患者さんは珍しい。本当に心臓が強いんですね」と。しかし、それは時間の問題。もしも、洋子に何かあったら、次の日から俺はどうやって生きればいいのか、と。見当もつかない。

 ――体調が良くなってきていたのに。

 要するに介護したら、こんなに元気になったと報告申し上げたが、それがウソをついたような状態になってしまって。

 17日は夜7時半ごろ玄関入って、洋子のにおいがして、ああ、食堂にいるなと気楽に入ったら、皆、バタバタしていて、「どうしたんだ」と聞いたら、「いま戻しました」と。大量のものを戻して、ボクの顔をちらっと見て、ボクに引っかけるように汚水をボクにかぶせて。とにかく主治医の先生にお願いして、症状を伝えたら、血圧を測ってくれと。そうしたら、170、180、200と上がっていく。これは驚いて、帰りの車で来てもらって、その時には瞳孔が開いていて、救急車呼んで。救急車の人もこれは「大ごとです」。

 しかし、それでも甘かった、こんな事態になるとは予想しなかった。

 ――19日午後、病院でどのような言葉をかけた?

 ずっと洋子、洋子と何度も。お前、待っていろよと。むなしいことはわかっている。洋子も助からないと。私も症例を見ていますから。いまとなってはどんなことでも助かって欲しいと心から思います。

 ――奇跡を待つ?

 あってほしい。(松田史朗)

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