第65回ベネチア国際映画祭(8月27日〜9月6日)コンペティション部門に出品される21作品が29日、ローマ市内で発表され、北野武監督(61)の「アキレスと亀」、宮崎駿監督(67)の「崖の上のポニョ」、押井守監督(56)の「スカイ・クロラ」がノミネートされた。世界3大映画祭で日本作品が3本出品されるのは初めて。ほかにも俳優オダギリジョー(32)主演の中国・ブラジル・日本合作映画「PLASTIC CITY」と石橋凌(52)ら出演の仏映画「Inju」の出品が決定。日本人関連作品5本が金獅子賞を目指す。
1932年(昭7)に始まった世界最古の同映画祭史上、日本人監督作品が最高賞「金獅子賞」を競うコンペティション部門に3作同時に選ばれたのは初めて。特に北野監督は世界3大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)への参加回数(招待作品も含む)が、今回で通算10回の大台に乗った。
中でも、ベネチアとの相性は抜群だ。同映画祭のコンペ部門出品は3年ぶり5度目(参加は7度目)。97年に「HANA−BI」で金獅子賞、03年に「座頭市」で銀獅子賞(監督賞)に輝いた常連であり、現地ではマエストロ(巨匠)の愛称で親しまれている。
そのベネチアに送り込む監督兼主演作が「アキレスと亀」(9月20日公開)。有名画家を夢見てアートに人生を賭けながら世間から評価されない真知寿(マチス=ビートたけし)が、芸術至上主義を貫き家庭崩壊の危機を招きながら、妻(樋口可南子)の無償の愛に支えられる。北野監督は「今度の作品は自分でも結構気に入ってるし、試写を見た人の反応もすごくいいのでヨーロッパの反応が楽しみ。何たって、主人公の名前は真知寿だし、才能のない画家がヨーロッパの画家をまねて描いた絵も出てくる。向こうはそういう画家の本場。どんな風に受け止めてくれるのか興味があるよ」と張り切っている。
宮崎監督「崖の上のポニョ」(公開中)と押井監督「スカイ・クロラ」(8月2日公開)も、日本作品として「HANA−BI」以来11年ぶり4度目の金獅子賞獲得を狙う。宮崎監督は「千と千尋の神隠し」で02年ベルリン映画祭の金熊賞(グランプリ)を受賞。アニメ映画として初めて3大映画祭の最高賞を獲得し、翌03年の米アカデミー賞長編アニメ賞も獲得。主要映画賞3冠目を目指す宮崎監督は「(会場の)リド島はとてもステキな場所です。また、あの道を朝歩けるかと思うと、とてもうれしい」。06年「立喰師列伝」以来2度目の参加となる押井監督は「作品が『映画』として認められたということ。カンヌに続いてベネチアに招待されたのは望外の喜びです」と話した。
3監督とも現地を訪れる予定で、北野監督は27日の初日から現地入りする方向で調整中。主要賞は最終日の9月6日に発表される。