【ベネチア28日=木下淳】ベネチア国際映画祭常連の北野武監督(61)が“1人3役”で映画祭を盛り上げた。まずは監督兼主演のコンペティション部門出品作「アキレスと亀」(9月20日公開)。同部門に過去4度ノミネートされ、「HANA−BI」で金獅子賞(97年)、「座頭市」で監督賞(03年)に輝いた本命の登場で世界各国から200人超が集まった公式会見に出席。「過去2作(05年「TAKESHIS’」と07年「監督・ばんざい!」)は商業的に苦しかったけど(笑い)『映画を作り続けることが素晴らしい』という結論を見いだした作品」と話し、巨匠と慕われるベネチアで新作のテーマを報告。さらに「ここは誰でも参加できる場所じゃないよ」と2度目の金獅子賞獲得への自信もにじませた。
午後は、昨年初代受賞者として新設された「監督・ばんざい!」賞の第2回授賞式にプレゼンターとして出席。イランのアッバス・キアロスタミ監督に賞を手渡し、功績をたたえた。さらに自身をモチーフにした「タケ魔人」(声だけ出演)が登場する「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」(河崎実監督)の会見に“出席”。着ぐるみが会場に登壇して笑わせた。
公式行事を離れても多忙だった。3泊の滞在中に25の国と地域、計85媒体から取材を受ける予定だ。現地の映画誌「CIAK」の1面で「THE BEAT GOES ON」(キタノの熱気ムンムン)と報じられた通りの活躍だった。