歌手さだまさし(56)が美空ひばりさん(享年52)のカバーアルバムを発売することが11日、分かった。1人の歌手が、ひばりさんの楽曲だけでアルバムを発売するのは初めて。タイトルは「情継 こころをつぐ」(10月22日発売)。「みだれ髪」「愛燦燦」「川の流れのように」など12曲が収録されている。アレンジはすべて服部隆之氏が手掛けた。
ユニバーサルミュージックがさだに「今という渇いた時代に日本の美しい情をさりげないメッセージとして表現し、心の潤いを水路としてつなぐのはさださんしかいない」と5年前からオファーしていた。さだは「偉大な歌手のヒット曲ばかり歌うなんて恐ろしい企画」と尻込みしていたが、ユニバーサルのスタッフの強い情熱に押され、今年になって歌う決心がついた。
さだは「ひばりさんの曲を聴いたらなぞってしまう」と、あえて原曲を聴かずにレコーディングに臨んだ。隆之氏には「ボーカル譜を作ってくれ」と頼んだ。レコーディングで、譜面通りに歌ったところ、隆之氏から「ひばりさんの曲を聴いたでしょ? 同じに歌ってる」と言われたという。さだは「そこで原曲を聴いて。ひばりさんはもともと譜面通りに歌う歌手だった。それでいて、偉大な美空ひばりでいることのすごさを思うと、気が遠くなった。ひばりさんに挑むことをやめて、代わりに愛を込めて寄り添うことにしました」と振り返った。
同アルバムを聴いたひばりさんの長男でひばりプロ社長の加藤和也氏(37)は「すごい。オリジナルな作者にこれほどダメージなく、曲をさらに昇華させた方はそうそういない。アルバムに美空ひばりのにおいを残してくださったさださんの優しさに感謝したい」と話した。