「ライブを見た後はお客さんも周りの細かいことが気になり出すみたいですよ」=東京都港区
バスの車体に描かれたカメラショップの広告写真。タイヤを一眼レフカメラのレンズに見立てたデザインに木村さんがコメントをつける。「これ考えた人はうまいこと思いついたと喜んだでしょうね。でもタイヤをレンズにすると、回りっぱなしでいつまでたってもピントが合わへんなぁ」
気になったものをデジカメで撮り、独自の解釈やダメ出しを織り交ぜて説明する。「写術」と名付けたこの形式のライブを続けて今年で15年になる。ライブ前は写真を撮りに「狩猟に出る」。
1回のライブで披露する写真は約300枚。ぱっと写真を見せて「なんやこれっ!」と一言で終わるものもあれば、被写体の背景にある物語を妄想するものも。日常の何げない風景や場面に笑いを見いだす「目」は木村さんならではだ。
いろいろなことが気になり、よく考える子どもだった。3けたの数字を合わせる鍵を開けるために、000からいくか999からいくかでリスクの違いを考えたり、学校で禁止されているあめを食べるなら、「小梅」と「小雪」どっちを食べて怒られるのが悔いが残らないのかと悩んだり。この時、小学4年生。のちの武器にもなる、物事をとらえる独自の目ができあがっていた。
「気配りの人」として知られる木村さん。ささいなことまで目を配る細やかさが、芸をより光らせる。ショーとして始めた写術に、「好きなことが仕事になる喜び」を感じている。「身ひとつ、裸で勝負してる感じかな。普段何をしてますかとよく聞かれるけど、普段がこれ。ネタやってる時がほんまの自分です」
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きむら・ゆういち 1963年京都府生まれ。86年にデビュー。お笑い芸人だけでなく構成作家や料理人としても活躍。舞台や映画、ドラマにも多数出演する。現在は「ラジかるッ」(日本テレビ)などに出演中。著書に「キムラの目」(実業之日本社)、「キム兄の感じ。」(マガジンハウス)、「木村祐一 ベストレシピ」(ワニブックス)など。