東京・歌舞伎座で上演中の「曽根崎心中」で24日夜、歌舞伎俳優の坂田藤十郎さん(77)による遊女お初役の上演回数が通算1300回を迎えた。近松門左衛門の原作で、徳兵衛とお初の悲恋の物語だ。藤十郎さんは53年、前々名の中村扇雀時代に初演。以来、当たり役としてきた。70代後半だが、若い女性の役を演じる姿はみずみずしい。
藤十郎さんは「お初という役に情熱をいただきながら56年間、演じてまいりました。演じている間、私は20歳前後の女性になりきっています。これまで見て下さったお客様への感謝でいっぱいです。今後も演じていきたい」と話した。